古来から伝わる「二十四節気」は、春夏秋冬の季節を6つずつに分け、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけたもの。気忙しい日々だからこそ、暦に合わせて咲く色とりどりの花から活力をチャージしたい。今回は寒の入り、小寒に飾りたい花束を、東京・吉祥寺の「hibi」に束ねてもらった

TEXT & PHOTOGRAPHS BY YURI TAKAHASHI

小寒 1月6日〜1月19日

「松の内も明け……」という時候のあいさつからはじまる小寒。寒さが厳しくなる季節のはじまりだ。この時季には黄色の花々が旬を迎える。「新年を寿ぐ(ことほぐ)めでたい花」と言われている“福寿草”、迎春花として愛されている“蝋梅”、そして厳しい寒さでも花を咲かせるお正月に欠かせない“水仙”。寒空の下、健気に咲く黄色の花々が、気持ちを和ませ、さらに寒さを吹き飛ばすような元気をもたらしてくれる。

画像: 黄色の花を引き立たせる、ユーカリポプラスやヤドリギ、ラケナリアのアクセントが愛くるしい。 ¥8,800

黄色の花を引き立たせる、ユーカリポプラスやヤドリギ、ラケナリアのアクセントが愛くるしい。 ¥8,800

 小寒をテーマに「hibi」に束ねてもらった花束は、春の気配を感じさせる、ラナンキュラス、チューリップ、パンジー、スカビオサの黄色のグラデーションが印象的。水仙の甘い香りとユーカリのスッキリとした香りが幸せな気持ちを届けてくれる。ぎゅっと抱えて持ち帰りたくなるポジティブなエネルギーを放つ花束だ。

画像: フレッシュなグリーンの香りが鼻をくすぐる店内は、隅々まで美しい

フレッシュなグリーンの香りが鼻をくすぐる店内は、隅々まで美しい

 吉祥寺の「hibi」は、大きな木のドアを開けて足を踏み入れると、店主の久野恭子さんがセレクトした美しい花や植物が出迎えてくれる。特に枝物は、那須塩原で無農薬栽培されているものを直接仕入れている。自然の風になびいた伸びやかな枝振りが、ひときわの存在感を放っている。「hibi」は、日々の暮らしに花を、という思いから、13年間営業したビルの3階にあった店舗を離れ、2023年9月に移転。

画像: 花束にも使われたスカビオサ。それぞれの植物の特徴を引き立てる花器に活けられている

花束にも使われたスカビオサ。それぞれの植物の特徴を引き立てる花器に活けられている

 大きな木のドアに、大きな窓。アーチを描いた天井……。どこを切り取っても素敵な店内は、建具や使われている素材ひとつひとつにこだわりが感じられ、まるでアートスペースのよう。店舗の中央にあるテーブルも、内装に合うようにオーダーして作られている。唯一無二の世界観が漂うショップへ、日常に溶け込む花々を選びに出かけてみてはいかがだろうか。

画像: 大きな窓から顔をのぞかせる植物たちが期待値を高めてくれる

大きな窓から顔をのぞかせる植物たちが期待値を高めてくれる

hibi
ヒビ
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目33−14
営業時間:12:00-17:00
定休日:日・月曜日
(年始は〜10日まで定休予定。詳しくはインスタグラムにて)
公式インスタグラムはこちら

参考文献:『花と短歌でめぐる 二十四節気 花のこよみ』株式会社KADOKAWA
『くらしのこよみ 七十二候の料理帖』平凡社
山下景子『二十四節気と七十二候の季節手帖』 成美堂出版

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