美しい造形美に、快適な座り心地......。たった一脚でも、住まいを洗練の空間へと昇華させてくれる「名作」と呼ばれる美しき椅子を厳選紹介。今回は、名建築家・デザイナーが手がけた、アイコニックな名作スツールを厳選紹介

BY EMI ARITA

シャルロット・ペリアンの「ベルジェ スツール」

画像: 「ベルジェ スツール」¥132,000/カッシーナ COURTESY OF CASSINA IXC.

「ベルジェ スツール」¥132,000/カッシーナ

COURTESY OF CASSINA IXC.

 ル・コルビュジエやピエール・ジャンヌレとともに数々の建築や家具を手掛けた、フランスの建築家・デザイナー、シャルロット・ペリアン。日本とも親交が深く、戦後日本のデザイン界に多大な影響をもたらした存在でもある。そんなシャルロット・ペリアンの代表作として知られているのが、こちらの「ベルジェ スツール」。その名の通り「ベルジェ」=「羊飼い」のためのスツールから着想を得てデザインされたもので、1955年に東京で行われた「巴里—芸術の総合への提案 ル・コルビュジエ、フェルナン・レジェ、シャルロット・ペリアン三人展」で初披露された。小ぶりなサイズに丸みを帯びたフォルムと、あちこちに置きたくなる愛らしい作品となっている。
 カラーは、アメリカンウォールナット材のナチュラル塗装、オーク材のナチュラル塗装、ブラック染色塗装の3タイプから選ぶことが可能。無垢材を使用しているため、1点1点木目が異なるが、そのナチュラルな美しさも作品の魅力と言えるだろう。

画像: 「ベルジェ スツール」(左)より少し背が高く、脚の形が特徴的な「メリベル スツール」(右)との合わせ使いもおすすめ COURTESY OF CASSINA IXC.

「ベルジェ スツール」(左)より少し背が高く、脚の形が特徴的な「メリベル スツール」(右)との合わせ使いもおすすめ

COURTESY OF CASSINA IXC.

カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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エーロ・アールニオの「ロケット バースツール」

画像: 「ロケット バースツール」¥63,800/アルテック COURTESY OF ARTEK

「ロケット バースツール」¥63,800/アルテック

COURTESY OF ARTEK

 「ボールチェア」や「バブルチェア」など、近未来を連想させるような先鋭的なデザインで世界中から愛されているフィンランドデザイン界の巨匠、エーロ・アールニオ。その作品の多くは、鮮やかな色とプラスチック素材を用いた有機的なフォルムが特徴だが、Artek(アルテック)より1995年に発表した「ロケットバー スツール」は、エーロ・アールニオには珍しい木製家具であり、彼の新たな魅力を発信した名作として知られている。
 「ロケット バースツール」は、もともとエーロ・アールニオが自宅のキッチン用の椅子としてデザインしたもので、その名の通りロケットを思わせる、遊び心溢れるデザインが魅力。無駄のないシンプルな構造と素材の温もりを感じさせるフィンランドデザインらしさと、エーロ・アールニオのポップアート的なセンスが見事に融合した作品は、1脚でも存在感は抜群。カラーは、ナチュラル、ホワイト、ブラックの3色がラインナップ。

COURTESY OF ARTEK

アルテック
TEL. 0120-610-599
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カスティリオーニ兄弟の「メッザドロ スツール」

画像: 「メッザドロ スツール」¥196,900/メトロクス COURTESY OF METROCS

「メッザドロ スツール」¥196,900/メトロクス

COURTESY OF METROCS

 常識に捉われない独創性に長けた作品で、イタリアの近代デザインを牽引してきたアッキレ・カスティリオーニ。「デザインは観察から生まれる」といった言葉を遺したとされるカスティリオーニのデザイン哲学が宿るのが、こちらの「メッザドロ スツール」。共にイタリアの照明ブランドFLOS(フロス)を創設した兄のピエール・ジャコモ・カスティリオーニとの共作で、1957年にデザインしたインパクト抜群のスツールだ。
 「メッザドロ スツール」を構成するのは、当時農作業用のトラクターに用いられていたシート、レーシングバイクのピン、スチール製のクロスボウ、そして帆船の横木。すべてが日常の観察によって導かれた既成の要素であり、それらを見事、ひとつの作品として成立させているのはさすがの一言。シートは、レッドやホワイト、ブラック、オレンジと多彩なカラーが揃う。好みのカラーでインテリアにインパクトを添えて楽しみたい。

画像: COURTESY OF METROCS

COURTESY OF METROCS

メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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チャールズ&レイ・イームズの「イームズターンドスツール」

画像: 「イームズターンドスツール」¥229,900/ハーマンミラー COURTESY OF HERMAN MILLER

「イームズターンドスツール」¥229,900/ハーマンミラー

COURTESY OF HERMAN MILLER

 ミッドセンチュリー期のデザイン界を牽引し、当時の最先端技術を用いながら、機能性と美しさを融合した作品を生み出してきたチャールズ&レイ・イームズ。成形合板やプラスチック、スチールワイヤーなど当時の新素材や新たな加工技術をデザインとして取り入れた作品も多い中、シンプルな無垢材を用いて作られたのが、こちらの「イームズウォールナットスツール」。ニューヨークにあるタイムライフビルのロビーのために1960年にデザインされたもので、工芸品のような彫刻的なフォルムは、主にレイがデザインを担当したとされている。
 旋盤を使い切削して仕上げられており、持ち上げると無垢材のずっしりとした重厚感も感じられる。フラットに見える座面は、程よい窪みをもたせた設計になっており、座ると体にフィットする感覚も心地いい。デザインは3種類あり、上下逆さまにして使用することも可能。スツールはもちろん、サイドテーブル、あるいは飾り棚として、さまざまなシーンで活躍してくれそうだ。

画像: COURTESY OF HERMAN MILLER

COURTESY OF HERMAN MILLER

ハーマンミラーストア 青山
TEL. 03-3486-2660
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剣持勇の「スツール S-3040」

画像: 「スツール S-3040」¥71,500~/メトロクス COURTESY OF METROCS

「スツール S-3040」¥71,500~/メトロクス

COURTESY OF METROCS

 渡辺力、柳宗理らと戦後日本のデザイン黎明期を牽引し、「ジャパニーズ・モダン」の提唱者として知られる近代日本を代表するデザイナー、剣持勇。1955年には「剣持デザイン研究所」を設立し、数々のインテリアデザインの名作を生み出してきた。
 こちらの「スツール S-3040」も、そんな剣持の代表作のひとつ。1960年、近代的なホテルの先駆けとなったホテルニュージャパンのバーラウンジのためにデザインした「ラウンジチェア C-3150」シリーズのスツールで、コロンとした丸みのあるフォルムが特徴。当時の「籐は夏向けで東南アジアの安価な家具材である」というイメージを払拭した細かい編み方や、ディテールの美しさで魅了し、洗練された日本的なプロダクトとして注目を集めた作品は、今見ても新鮮で、タイムレスな美しさを放つ。シートクッションの張り地は、シックなものからポップなカラーまで選択可能。サイズは3種類。

画像: スツール単体はもちろん、「ラウンジチェア C-3150」と合わせて、シリーズで楽しむのもおすすめ COURTESY OF METROCS

スツール単体はもちろん、「ラウンジチェア C-3150」と合わせて、シリーズで楽しむのもおすすめ

COURTESY OF METROCS

メトロクス
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