古来から伝わる「二十四節気」は、春夏秋冬の季節を6つずつに分け、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけたもの。気忙しい日々だからこそ、暦に合わせて咲く色とりどりの花から活力をチャージしたい。今回は春の鼓動を感じる雨水におすすめの花束を、東京・羽根木の「malta」に束ねてもらった

TEXT & PHOTOGRAPHS BY YURI TAKAHASHI

雨水 2月19日〜3月4日

 雪や氷が溶け、川に流れ出すといよいよ大地が目覚める雨水の頃。土が湿り気を含み出し、陽射しが徐々に優しくなり、遠景がぼんやりと霞がかって見えるように。草木が芽を出し、淡く優しい緑が目について春の息吹に期待が高まる。特に草丈の低い球根が咲きはじめ、豊かな香りが鼻をくすぐる。この時季は、目線を落として早い春を探しに出かけたい。

画像: まるで小さな花壇をそのまま束ねたような、繊細さと愛らしさが同居しているブーケ。¥5,500

まるで小さな花壇をそのまま束ねたような、繊細さと愛らしさが同居しているブーケ。¥5,500

 チューリップ、アイリス、フリチラリア、ムスカリ──下萌えの球根たちを束ねたブーケ。雨水のムードを閉じ込めたような雰囲気と、葉先の自由な動き、優しいカラーパレットの花々は春しか味わえない特別な一束だ。家に持ち帰って、どの花瓶や器に飾るか思案するのが楽しみになりそう。

画像: 根元に敷かれたモスは、ブーケをより分けたときも、花々が生き生きとするアクセントに

根元に敷かれたモスは、ブーケをより分けたときも、花々が生き生きとするアクセントに

 世田谷区羽根木にある「malta」。トレンドの色彩の花に、原種系の品種を取り入れ、ファッション感のあるブーケに。そのまま飾っておきたくなるすりガラスのようなラッピングとリボンが、大切な人への春の贈り物にもぴったりだ。

画像: 色とりどりの花々がまるで、洋服のようにディスプレイされている

色とりどりの花々がまるで、洋服のようにディスプレイされている

 ヴィンテージ家具の上に飾られた、色鮮やかな花に心が躍る、malta。生産者の顔が見える花を仕入れるよう心がけていると話すオーナーの布山瞳さん。たまたま見つけたという羽根木の閑静な住宅街にアトリエ兼店舗を構えて7年。maltaを目指してやってくる人や、近所に住む人がふらりと立ち寄って一輪選んだり、枝ものを持って帰ることが多いのだそう。布山さんの琴線に触れたモノやコトでポップアップイベントを行うことも。お店にいい意味での変化をもたらし、お客さまにいつでも楽しく足を運んでもらう工夫を散りばめている。近所にこんな花屋があったら……が形になった店舗だ。

画像: 雨水 2月19日〜3月4日

malta
マルタ
住所:東京都世田谷区羽根木1-21-27 亀甲新#ろ 59
電話番号:03-6265-8966
営業時間:13:00〜18:00
定休日:月、火曜日
公式インスタグラムはこちら

参考文献:『花と短歌でめぐる 二十四節気 花のこよみ』株式会社KADOKAWA
『くらしのこよみ 七十二候の料理帖』平凡社
山下景子『二十四節気と七十二候の季節手帖』 成美堂出版

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