村上隆が初めてルイ・ヴィトンのコレクションを飾ったのは2003年のこと。2025年には復刻版「ルイ・ヴィトン × 村上隆」コレクションの第一弾が登場

BY LINDSAY TALBOT, STILL LIFE BY LEWIS MIRRETT, SET DESIGN BY LEILIN LOPEZ-TOLEDO, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

画像: 「ナノ・スピーディ」バッグ。2003年のルイ・ヴィトンと村上隆のコラボレーションラインより。

「ナノ・スピーディ」バッグ。2003年のルイ・ヴィトンと村上隆のコラボレーションラインより。

 63歳のアーティスト・村上隆は、東京北部の貧しい家で、タクシー運転手の父親と専業主婦の母親の長男として育った。子どもの頃、両親と国立西洋美術館のゴヤ展へ行ったとき、その日見たものについて作文を書かないと夕ごはんが抜きだったとか。東京藝術大学で日本画を学ぶが現代美術に興味を持ち、昔から好きだった漫画やアニメのコンセプトを用いて、現代美術家として絵画や彫刻を手がけるように。その作品のモチーフは、笑う花やぎょろりとした目玉のキノコ、「DOB君」や「Ko²(ココ)ちゃん」といった現代美術初のオリジナルキャラクターだった。

 2002年、村上は当時ルイ・ヴィトンのアーティスティック・ディレクターだったマーク・ジェイコブスからパリに招かれる。短い会談のあとで、ジェイコブスは有名な1896年の“モノグラム”を使ったアイテムの製作を依頼。これは「L」と「V」を組み合わせたシグネチャーと3種のフラワー モチーフからなる柄で、日本の家紋が着想源だといわれている。ルイ・ヴィトン2003年春夏コレクションで、村上は桜やパンダのモチーフでアイテムを飾り、元はブラウンの“モノグラム”を新たな33色で表現した。

画像: 新作「ルイ・ヴィトン × 村上隆」コレクションの「スピーディ・バンドリエール 20」¥435,600/ルイ・ヴィトン ルイ・ヴィトン クライアントサービス TEL.0120-00-1854

新作「ルイ・ヴィトン × 村上隆」コレクションの「スピーディ・バンドリエール 20」¥435,600/ルイ・ヴィトン

ルイ・ヴィトン クライアントサービス
TEL.0120-00-1854

 今回の復刻版「ルイ・ヴィトン × 村上隆」コレクションの第一弾は今年初めにお目見えした。前回同様にビビッドなプリントがあしらわれた、計170超のアイテムを展開している。スーパーフラット・パンダのデザインも復活し、スケートボードやバッグに登場。「スピーディ・バンドリエール 20 」(上の写真)には、渦を巻いて連なっていたりにっこり笑っていたりするデイジーなどがあしらわれ、思春期の子どもの空想のような村上の世界観が、より大人の雰囲気で表現されている。

DIGITAL TECH: MAX BERNETZ. SET DESIGNER’S ASSISTANT: FRIDA FITTER. INSET: COURTESY OF LOUIS VUITTON

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