RECIPE BY YOKO ARIMOTO, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA, TEXT BY MIKA KITAMURA
「肉は塊肉を買ってたっぷり食べる。ステーキの厚さは譲れません」
「自他ともに認める野菜好きですが、たまにたっぷり肉を食べたくなります。そんなとき、肉は必ず塊で買います。時々ですから、ちょっと贅沢してよい肉を選ぶんです。そして調理はシンプルに」と有元さん。いちばん好きなのは、2cmくらいに厚く切った牛肉を調味せず、さっと焼いただけのステーキ。塩や醤油、薬味類を用意して、各自が好きな味で。「お店で切ってもらうより、塊肉を買って自分で切るほうがなぜかおいしいのよ」。
ステーキなら、火力は「薪、炭、ガス、電気」の順においしく焼き上がるのだとか。家庭で薪や炭は難しいが、ぜひ、フライパンを使ってガス火で焼いてみよう。おいしく仕上げたいなら、フライパンは鉄製で。高温に熱したフライパンに肉を入れ、たんぱく質をしっかり固めておいしい肉汁を逃さないようにするのが必須。それには鉄製が最適。
肉の部位の特徴を知って選ぶのも、料理上手への近道だ。おおまかに、脂肪が少なくてやわらかいのがヒレやもも。有元さんは、もも肉の中で比較的やわらかなランプが特におすすめと言う。また、煮込みには肩ロースやブリスケをよく使うのだとか。適度な脂肪があってキメが細かく食べやすいロース肉の中でも旨みのある肩ロースや、肉質は硬めで旨みのある胸の部分のブリスケは煮込みにぴったり。
ステーキを食べたくなったら、どのような塊肉を買い、使い切るかを教えてもらった。選ぶのは、ステーキによく合うランプや少し脂が欲しければイチボを塊で800〜1kg。これを厚さ2㎝に人数分切り分けてステーキに。残ったものはタリアータにしたり、醤油に漬けておいて次の日にさっと焼いて丼にしたり。タリアータは、イタリア風の牛たたきのこと。薄切りにして、好みの味で。
<材料(1人分)>
牛ランプ肉 厚さ2㎝ 1枚
きゅうり 1本
セロリ 適量
薬味と調味料(大根おろし、わさび、アリッサ*、すだち、七味唐辛子、醤油、塩) 各適量
オリーブオイル 適量
*モロッコのスパイシーな調味料
<作り方>
残った塊肉でタリアータ
<材料>
牛ランプ肉 800〜1kg
粗塩、胡椒 各適量
塩漬けケイパー、ローズマリーの葉先、オリーブオイル、バルサミコ 各適量
<作り方>