RECIPE BY YOKO ARIMOTO, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA, TEXT BY MIKA KITAMURA

はちみつは2種類合わせて味に深みを
「身体のことを考えて甘いものを控える方が多いようですが、私は食後のデザートも、おやつもいただきます。ただし、たくさん食べられないので、おいしいものを少し。良質な素材で作られたものを、適切な量いただくのであれば、身体にも負担はないのではと思っています」
お気に入りのタルトは、タルト生地にはちみつを塗って焼き上げ、砂糖をまぶしたハーブをのせたシンプルなもの。「このタルトはおやつにも、ワインに合わせてもいいですね。これにブルーチーズをのせて焼き上げたら、さらにワインが進みます」。
はちみつは2種類を混ぜると、味に深みが出る。もちろん1種類でも。ハーブはグラニュー糖をまぶしてそのまま置いておくだけ。オーブンに送風機能があれば、オーブンで仕上げてもいい。
「タルト生地を作るのは面倒と思われるかもしれませんが、フードプロセッサーを使えば、簡単で時短になります」。焼き立ての生地の香ばしさ、はちみつの自然な甘み、ハーブの香りーー手作りのタルトのおいしさを味わってほしい。

<材料 (直径22cmのタルト型1台分>
●生地
薄力粉 200g
無塩バター 100~130g
グラニュー糖 60~70g
卵黄 4個
●はちみつ 好みのもの 適量
●好みのハーブ 片手1杯分
●グラニュー糖 適量
<作り方>

1 タルト生地を作る。フードプロセッサーに薄力粉をいれ7〜8秒ほど回す。砂糖と塩を加えて3〜4秒ほど回す。冷蔵庫から取り出した冷たいバターを約1㎝の角切りにし、バターが小豆粒くらいの大きさになるようにパルスで回す。少し粉気がある程度で止める(この時回しすぎないようによく注意すること。フードプロセッサーにより回す時間は異なるのでよく注意して)。卵黄を1個づつ加えてその都度軽く回す(この時も回しすぎないように注意)。まとまったら取り出し、ラップで包んで冷蔵庫で1時間ほど休ませる。フードプロセッサーがなければ、同様の順番で手でこねても。台に打ち粉(分量外)をし、生地をおき、上にも小麦粉を振る。

2 ハーブにグラニュー糖をまぶし、ざるにのせて1時間ほど置いておく。

3 めん棒で5㎜の厚さに、タルト型の直径より大きめにのばす。

4 生地をめん棒に巻き取ってタルト型の上に広げる。

5 生地を型の内側に沿わせて、側面と底を貼り付けるようにする。隅は指先を使ってしっかり押し込む。

6 めん棒を転がして余分な生地を切り落とす。

7 フォークでピケし、アルミホイルをのせ、その上にひと周り小さいケーキ型をのせる。タルト用の重石があれば、ケーキ型の代わりに重石をのせる。210~220℃に温めたオーブンで10〜15分ほど、生地の周りが少し色つくくらいに焼き、取り出す。

8 7の生地の粗熱が取れたら、アルミホイルとケーキ型をはずす。はちみつ2種類をたっぷり塗り、さらに210~220℃のオーブンで約15分焼く。様子を見ながら、生地がカリッと狐色に美味しそうに色づいたらオーブンから取り出し、常温になるまで置いておく。

9 8の生地の粗熱が取れたら型からはずし、食べる直前に2の砂糖漬けのハーブをのせる。

有元葉子(ありもとようこ)
料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。
公式サイトはこちら
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