オルゴールが組み込まれた非常に稀少なリングで、19世紀後半に制作されたもの。花モチーフに隠された歯車を回転させると音が鳴る仕組み。リングの肩の部分には男性と女性のカリアティード(人像柱)があしらわれている。オルゴールは18世紀後半、ジュネーブで発明された。当時、楽器を演奏できない人が音楽を聴くための唯一の手段であり、非常な人気を博した。1802年、スイス出身の時計職人、アイザック=ダニエル・ピゲが、このオルゴールの装置をさまざまなジュエリーに取り入れた。ガストゥはさまざまな芸術家たちがつくる指輪にも関心を抱き、優れた審美眼をもって蒐集した
PHOTOGRAPHS BY BENJAMIN CHELLY
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