古来から伝わる「二十四節気」は、春夏秋冬の季節を6つずつに分け、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけたもの。気忙しい日々だからこそ、暦に合わせて咲く色とりどりの花から活力をチャージしたい。今回は爽やかな初夏のムードをたたえた花束を東京・洗足池の「MY’S」に束ねてもらった

TEXT & PHOTOGRAPHS BY YURI TAKAHASHI

立夏 5月5日〜5月19日

 春の荒々しい気候がようやく落ち着き、新緑の香りを運ぶ“薫風”が吹き渡り、若葉が輝く立夏の季節がやってくる。5月5日の端午の節句では、邪気を払うと言われている菖蒲の葉を風呂に入れる菖蒲湯で、無病息災を願う。旧暦では立夏から立秋の前日までが夏。藤やライラックなどの花木の隙間からあふれる、さわやかな五月晴れの空から夏の兆しを感じたい。

画像: グリーンのみで束ねた潔いブーケ。緑のグラデーションを楽しんで。¥5,500

グリーンのみで束ねた潔いブーケ。緑のグラデーションを楽しんで。¥5,500

 東急池上線の洗足池駅と長原駅の間にある「MY’S」。店主の今泉冴也香さんは渋谷や目黒でアトリエを構えながら、フリーのフローリストとして活躍ののち、現在の場所に店を構えることに。
「地元が近く土地勘があったこと、このビルのオーナーと旧知の知り合いだったこと、そして花屋限定でテナント募集をしていたこと……どうしてこの地に? と聞かれることも多いのですが、さまざまな縁が重なり、2023年11月にこの店をオープンすることに決めました」

画像: 脇役になりがちなグリーンを立体感のあるブーケにし、一色でも存在感のある雰囲気に。

脇役になりがちなグリーンを立体感のあるブーケにし、一色でも存在感のある雰囲気に。

 立夏のムードをそのまま束ねたような、グリーンのグラデーションが美しい花束。ブーケに動きを与える、ウラシマソウやアリウムスネークボール。繊細なスカビオサやエクレールスプレーローズが華やかさをそっと添えてくれる。フレッシュな中にオレガノのスパイシーな香りを忍ばせ、五感を刺激してくれる一束だ。

画像: 一部花瓶も販売。セットで買っていく人も多い

一部花瓶も販売。セットで買っていく人も多い

 どこを切り取ってもまるでインテリア雑誌のような洒脱な内装は、友人の設計士が手がけたそう。窓際にある観葉植物や、飾り棚に置かれている一輪挿しなど、自宅でも試してみたいアイデアが詰まった店舗だ。中でも店の中心にある階段上のディスプレイエリアには、旬の花々が並び、一輪だけでもサマになる花や、大きな枝物、観葉植物など、多彩な品揃えで出迎えてくれる。

 イラストや写真などの展示イベントなどもコンスタントに開催予定。花のある暮らしを叶えるパートナー的存在になりうる花屋だ。

画像: 花を飾り棚にディスプレイ。「この雰囲気を見て、花を買ってくださる方も」

花を飾り棚にディスプレイ。「この雰囲気を見て、花を買ってくださる方も」

MY’S
マイズ
住所:東京都大田区上池台2-1-15 FRAME103
電話番号:090-7828-3910
営業時間:12:00〜15:00(木曜日)、12:00〜18:00(金〜日曜日)
定休日:月〜水曜日
公式インスタグラムはこちら

参考文献:『花と短歌でめぐる 二十四節気 花のこよみ』株式会社KADOKAWA
『くらしのこよみ 七十二候の料理帖』平凡社
山下景子『二十四節気と七十二候の季節手帖』 成美堂出版

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