BY EMI ARITA
豊口克平の「スポークチェア」
ふたりで座れるほど広々とした座面の上で、好きな体勢でくつろげることから、“あぐら椅子”とも呼ばれる天童木工の「スポークチェア」。日本のインダストリアルデザイン黎明期を牽引した豊口克平が1963年にデザインしたもので、イギリスの伝統的なウインザーチェアのエッセンスと、日本人の体型や生活様式を見事に融合させたローチェアは、見た目もおしゃれで座り心地も快適。
ころんとした丸い脚先は、畳を傷つけないよう配慮されたもの。大きな座面でありながら、13本のスポーク(細い丸棒)で構成された背もたれにより、抜け感があり、どこにおいても圧迫感がないのも魅力。座面の張り地は、ファブリックやレザーなど豊富な素材とカラーからセレクト可能。
天童木工
TEL. 0120-01-3121
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坂倉準三の「TOU ZA ISU(籐座椅子)」
イデーの「TOU ZA ISU (籐座椅子)」は、20世紀を代表する建築家、坂倉準三が1948年にデザインした「竹籠座低座椅子」を原型にしたもの。四角い背と座は竹を籠状に編んだものだったが、2001年に坂倉準三建築研究所の元所員であった長 大作により、竹製からモダンでよりおしゃれな印象のラタン(籐)製にリ・デザインされた。
畳や絨毯を傷ませないように考案されたソリ型の脚部は、のちに坂倉準三建築研究所が発表した「低座イス」にも引き継がれている。ル・コルビジュジェやシャルロット・ペリアンに影響を受けた坂倉のデザイン美学を感じる端正なデザインが光るローチェアは、和室はもちろん、フローリングのリビングとも相性抜群! 北欧家具など、ナチュラルなスタイルでまとめたインテリアにあわせるのもおすすめ。
イデー
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坂倉準三建築研究所(担当:長 大作)の「低座イス」
天童木工の「低座イス」は1950年代に、舞踏家が和室での立ち居を助ける椅子として、坂倉がデザインした「竹籠座低座椅子」を原型としている。その後、幾度ものリ・デザインを繰り返し、1960年のミラノ・トリエンナーレで坂倉研究建築所が展示計画を担当した際に、現在のデザインができあがった。畳や絨毯を傷めないよう考案されたソリ型の脚に、偏円形の背と座を合わせたおしゃれな見た目と、使い勝手のいいローチェアとして、発売から60年を超えた今もなお愛され続けている。
厚めのクッションが体を支えてくれる座面の後部には、やや傾斜がついており、腰の負担を軽減。長時間座っていても快適なため、読書用チェアにもおすすめ。約29cmという絶妙な高さのおかげで、立ち上がりやすく、世代を問わず使いやすいのも魅力。座面の張り地は、ファブリックやレザーなど豊富な素材とカラーからセレクトできる。
天童木工
TEL. 0120-01-3121
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藤森健次の「座イス」
旅館や和食店のお座敷などで、誰もが一度は目にしたことがある、成形合板の座椅子。その元祖となるのが、1963年にデザイナーの藤森健次がデザインした、天童木工の「座イス」。藤森は北欧で家具デザインを学び、日本における“機能的かつ美しい家具作り”に、多大な影響をもたらしたことでも知られている。一枚の成形合板を三次元曲面で加工しただけ、という非常にシンプルな構造の「座イス」には、無駄を削ぎ落とした造形美と機能性を持ち合わせた、北欧家具のデザインメソッドがまさに息づいている。
座面に開けられた穴は、座布団が畳との摩擦で滑りにくくするのと同時に、軽量化や反り防止の役割も果たす。1.7kgと軽く、積み重ねて収納することも可能なため来客用に数客ストックするのもおすすめ。大切なゲストをお迎えする際には、シンプルな美しさが光る「座イス」を設えて、美しく洗練された和室に整えたい。
天童木工
TEL. 0120-01-3121
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村野藤吾の「スワン チェア」
その名の通り、悠々と水面を泳ぐ白鳥の姿を彷彿とさせる愛らしいフォルムが魅力的なイデーの「スワン チェア」。戦前戦後を通じて数々の名作を残してきた日本を代表する建築家、村野藤吾が1978年、箱根プリンスホテル(現 ザ・プリンス箱根)の建築設計に合わせてロビーラウンジのためにデザインしたもので、誕生から30年以上に渡り、ホテルを訪れる宿泊客を出迎えてきた。
ふっくらと厚みがあるクッションは、腰掛けるとまるでソファのような快適さ。低い座面は足を投げ出した状態で座るのにもちょうどよく、リビングでテレビを観たり、読書をしたり、のんびりくつろぐリラックスタイムのお供にもおすすめ。張り地によって表情が変わるため、好みの色や素材を選ぶのも楽しいひとときになりそう。存在感も抜群のおしゃれなローチェアを、自分好みのスタイルでお迎えして。
イデー
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