北欧のハンス J. ウェグナーやバウハウス出身のマックス・ビルなど巨匠デザイナーのものから、ジャパニーズモダンの傑作まで。温かみのある木製スツールの名作をピックアップ。見た目もおしゃれで使い勝手のいいスツールを暮らしのおともに

BY EMI ARITA

ハンス J. ウェグナーの「CH53」

画像: 「CH53」¥91,300〜/カール・ハンセン&サン COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

「CH53」¥91,300〜/カール・ハンセン&サン

COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

“Yチェア”の愛称で親しまれる「CH24」をはじめ、数々の名作椅子を手がけた、20世紀を代表する北欧の巨匠、ハンス J. ウェグナー。こちらの「CH53」は、1966年にデザインされたもの。端正なフォルムの無垢材のフレームと、手編みのペーパーコード張りをあわせたシンプルなデザインでありながら、快適な座り心地や耐久性といったスツールとしての機能性を追求した、ハンス J. ウェグナーのクラフトマンシップあふれる作品となっている。
 座面高は39cmと43cmの2種。単体のスツールとしてはもちろんのこと、ほかの椅子とあわせてオットマンにしたり、雑誌や本を置く“飾り台”としても重宝。オーク材のフレームは、ソープ仕上げ、オイル仕上げ、ホワイトオイル仕上げの3種からセレクト可能。木肌の表情や座面の色味が風合いを増す、経年変化も楽しみたい。

画像: COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

カール・ハンセン&サン 東京本店 / 大阪   
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デンマークの日常から生まれた「シューメーカースツール」

画像: 「シューメーカースツール 49cm」¥36,300/ワーナー(アクタス) COURTESY OF ACTUS

「シューメーカースツール 49cm」¥36,300/ワーナー(アクタス)

COURTESY OF ACTUS

 15世紀のデンマークで、酪農家が搾乳作業で使用した3本脚の椅子を起源に持つ「シューメーカースツール」。17世紀には、長時間座っても疲れないよう、靴職人が座面を改良。お尻の形に沿って削り出された現在の座面が誕生した。
 デンマークの日々の営みの中で進化をしてきたアノニマスなスツールは、1970年代にスティーン・ワーナーによって製品化。その後も、強度の向上などさらなる進化を遂げ、1990年に現在の柔らかなフォルムの愛らしい姿が完成。現在はスティーンの息子であるラーナー・ワーナーが、デンマークの小さな村にある工房でハンドメイドでの製作を続けている。この長きにわたる歩みが評価され、2024年度には「グッドデザイン賞」を受賞。バリエーションは、子ども用の高さ27cmからキッチンカウンターにもぴったりな高さ69cmのハイタイプまで、全5種。リビング・ダイニングから玄関まで、あちこちに高さ違いで置いて、インテリアのアクセントにしたい。

画像: COURTESY OF ACTUS

COURTESY OF ACTUS

アクタス
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イェンス・H・クイストゴーの「フィオニア スツール」

画像: 「フィオニア スツール」¥51,480/フリッツ・ハンセン COURTESY OF FRITZ HANSEN

「フィオニア スツール」¥51,480/フリッツ・ハンセン

COURTESY OF FRITZ HANSEN

 古代エジプトの伝統的なX脚椅子を北欧風にアップデートした「フィオニアスツール」。デンマークの家具ブランド「スカゲラック」で、彫刻家兼プロダクトデザイナーのイェンス・H・クイストゴーが1986年にデザインしたもの。現在はフリッツ・ハンセンの「スカゲラック コレクション」として販売されている。北欧デザインらしいシンプルな造形美と、使い勝手の良さで、誕生から40年近くたった今なお、おしゃれな北欧スツールとして愛されている。
 格子状のフレームがクロスすることで生まれる三角形を構造は安定感も抜群なため、スツールとしてはもちろん、サイドテーブルや、グリーンを飾るディスプレイとしても重宝。また、軽量で折り畳めるため、使わないときは収納できるほか、バルコニーや庭に持ち出す際にも便利。バリエーションは、オーク材とチーク材の2種。

画像: COURTESY OF FRITZ HANSEN

COURTESY OF FRITZ HANSEN

フリッツ・ハンセン 東京
TEL. 03-3400-3107
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マックス・ビルの「ウルムスツール」

「ウルムスツール」¥59,400~¥154,000/wb form(メトロクス)

COURTESY OF METROCS

 シンプルなコの字型が印象的な「ウルムスツール」は、“バウハウス最後の巨匠”として知られるマックス・ビルが1954年にデザイン。当時、マックス・ビルは、バウハウスの理念を受け継ぐ教育機関として1953年に旧西ドイツに誕生した「ウルム造形大学」の初代学長を務めており、アシスタントのハンス・グジェロとともに、学生たちのための“多目的な道具”として「ウルムスツール」を考案。向きや角度を変えれば、椅子、テーブル、収納、ディスプレイ台と、自由な使い方が楽しめるマルチなスツールが誕生した。
 釘を一切使わない木組み工法で製作されているほか、座面と側面の板は強度に優れ、反りやねじれを防ぐ「組継ぎ」で、横棒は「くさび細継ぎ」で接合するなど、あらゆる木工技術が駆使されているのも特徴。バリエーションは、木肌の表情を楽しめる無塗装のビーチ材、ウォルナット材のほか、モダンな印象のブラック塗装の3種。

画像: COURTESY OF METROCS

COURTESY OF METROCS

メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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田辺麗子の「ムライスツール」

画像: 「ムライスツール」¥101,200/天童木工 COURTESY OF TENDO MOKKO

「ムライスツール」¥101,200/天童木工

COURTESY OF TENDO MOKKO

 同じ形状の成形合板パーツを3 枚組み合わせた幾何学的なフォルムが美しい「ムライスツール」。1961年に開催された第一回天童木工家具デザインコンクールで佳作に入賞した作品で、デザイナー田辺麗子の旧姓にちなんで「ムライ」と名づけられた。1967 年には、ニューヨーク近代美術館 (MoMA) の永久収蔵品に選定されている。
 釘などの金具を使用せず、どこから見ても、チーク材の木目が美しいのが特徴。その木目は中央に向かって合わさるように緻密に計算されており、細部までこだわりが光る。どの面を下にしても水平になるため、椅子やサイドテーブルとしてはもちろんのこと、数個積み重ねて収納棚にするのもおすすめ。自由な発想で、自分なりの使い方を楽しんで。

画像: COURTESY OF TENDO MOKKO

COURTESY OF TENDO MOKKO

天童木工 
TEL. 0120-01-3121
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