玄関ホール
飾り気のなかったヴィラ・アルベルゴーニの玄関に、ヴィスコンティ・ディ・モドローネは大きな地図を何枚も飾ることにした。地図はヴェローナの古書店『ペリーニ』で手に入れたものだ。玄関の先に続く廊下には、別荘の敷地内で見つけた堅い椅子を置いた。映画の中ではパールマン一家は別荘とともに、こうした家具を代々受け継いでいるという設定になっている。ヴィスコンティ・ディ・モドローネはさらに、玄関に置いた花瓶に笹の葉がいつも活けてあるよう注意を払っていた。「この廊下には生き物が必要なの。あたかもパールマン夫人が庭でこういう葉を採ってきて活けたような感じを出したかったんです」
PHOTOGRAPH BY GIULIO GHIRARDI