米アカデミー賞など各国の映画賞を総なめにした映画『パラサイト 半地下の家族』が日本で舞台化。裕福な家庭に"寄生"していく側の父と息子を演じるふたりが、果たしてどんな家族像を築くのか──異色のタッグが生み出す化学変化に注目だ

PHOTOGRAPHS BY KAZUYA TOMITA, STYLED BY KEISUKE WATANABE (FOR Mr. FURUTA), MASASHI SHO (FOR Mr. MIYAZAWA), HAIR & MAKEUP BY NATSUKI TANAKA (FOR Mr. FURUTA), TARO YOSHIDA AT W (FOR Mr. MIYAZAWA) , TEXT BY JUNKO HORIE

画像: [古田さん]ジャケット¥30,580(サヴォイ クロージング)・シャツ¥14,080(グッドロッキン)/ジャンピン ジャックス TEL. 03-3470-1499 パンツ¥44,000/パラダイス トウキョウ(ワコマリア) TEL. 03-5708-5277 その他/スタイリスト私物

[古田さん]ジャケット¥30,580(サヴォイ クロージング)・シャツ¥14,080(グッドロッキン)/ジャンピン ジャックス TEL. 03-3470-1499 パンツ¥44,000/パラダイス トウキョウ(ワコマリア) TEL. 03-5708-5277 その他/スタイリスト私物 

──米アカデミー賞など数々の受賞を果たした大ヒット韓国映画の舞台化になりますね。

古田 映画観たときに「舞台化しないかな」と思った作品でした。演出の鄭(義信)さんとも一度ご一緒したいと思っていたし、物語を日本に置き換えてというのも面白いなと。鄭さんなら、きっと笑える悲惨な話にしてくれるんだろうって期待してます。

宮沢 僕は、錚そう々そうたる役者の皆さんの中に自分がいることにまず驚きました(笑)。けれど、自分がその一員であることは、驚きの先に喜びがあって。台本も鄭さんらしい、笑いがありながら、伝えたいことはしっかりとある作品で、今は楽しみで仕方ないです。

──『パラサイト』という作品の魅力は?

古田 物語に出てくる二つの家族は、自分の家族とはまったくカブるところがなくて。それだけに面白くてね。映画館で観たときに周りがシーンとしているところで、おいらだけ「フハ(笑)」なんて笑い声が漏れてしまったりして。そんな話に、鄭さんが書く人間臭いドラマは合うんじゃないかな。

宮沢 僕も、二つの家族と自分には共通するところはないのに、どうして共感するところがあるんだろうと考えたときに、思い当たることがありまして。

古田 ほう。

宮沢 僕の生まれはアメリカのサンフランシスコなのですが、そこから橋をひとつ渡ったオークランドという地域は治安が悪くて。子どもの頃に見たそんな景色を、『パラサイト 半地下の家族』を観て思い出しました。どの国にも大なり小なり貧富の差はあるから、世界的なヒットになったのかなと。

古田 なるほどね。今回、東京ではなく地方都市を舞台にしていることで、リアルさが増すような気はしてる。そういうところ、鄭さんのうまい部分だと思うんだよね。二つの家族……企む側と寄生される側の人間模様の末、悲惨な結果になっていくけど、舞台ならではの臨場感をもってお客さんには楽しんでいただきたいです。

画像: [宮沢さん]ジャケット¥268,400・シャツ¥116,600・パンツ¥88,000/ダンヒル TEL.0800-000-0835

[宮沢さん]ジャケット¥268,400・シャツ¥116,600・パンツ¥88,000/ダンヒル TEL.0800-000-0835

──潜む家族の舞台演出が楽しみで。

古田 映画とは違う見せ方になるはず。

──宮沢さんは古田さんとの共演をすごく楽しみにしていたと伺っていますが。

古田 相談したいこととか、まだないでしょ?

宮沢 相談というか質問が。以前聞いた噂話で、古田さんがまだ若い頃、唐十郎さんの公演の打ち上げか何かで、唐さんから"タバコ買ってこい" と頼まれて、二つ先の街まで買いに行ったと……本当ですか?(笑)

古田 ホント(笑)。大阪で唐さんの芝居やってたとき、テントのバラシのアルバイトで入ってて、飲みの席に誘っていただいたの。けど、場所が港だったから、タバコが買えなくて。港を出て、探しに行ったんだよ。まだコンビニもあまりないような時代で……しかもそのとき、タバコ代もらえなかったんだよね(笑)。10年後ぐらいかな、唐さんの芝居に出演者として出てたとき、「タバコ代、もらってないんですよ」って昔話を唐さんにしたんだよ。「ホントかー!」って言われてふたりで笑ってたんだけどね。翌日、楽屋にバーボンが一本。"古田、ありがとな" って。

宮沢 カッコいい! 噂話は、想像以上に素敵な、本当のお話だったんですね。

画像: 古田新太(ふるた・あらた) 1965年兵庫県生まれ。劇団☆新感線公演『宇宙防衛軍ヒデマロ』(1984年)でデビュー。以来、同劇団の看板役者として幅広く活躍。最近の主な出演作は映画『KAPPEIカッペイ』『ヴィレッジ』、ドラマ『忍者に結婚は難しい』『どうする家康』『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』、舞台『薔薇とサムライ2−海賊女王の帰還−』など。『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)にレギュラー出演中

古田新太(ふるた・あらた) 1965年兵庫県生まれ。劇団☆新感線公演『宇宙防衛軍ヒデマロ』(1984年)でデビュー。以来、同劇団の看板役者として幅広く活躍。最近の主な出演作は映画『KAPPEIカッペイ』『ヴィレッジ』、ドラマ『忍者に結婚は難しい』『どうする家康』『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』、舞台『薔薇とサムライ2−海賊女王の帰還−』など。『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)にレギュラー出演中

── "パラサイト"してみたい、たとえば自分の手中に収めてみたいことはありますか。

古田 今、メスフェスっていう音楽フェスがあって。おいらのiPodに入ってるバンド、しかもラウド系のおもしろバンドを集めてね。それは、ヤツらに寄生させてもらってるかな。毎年、直接リーダーにオファーするの。今度フェスやるから出ろや~と。

宮沢 さすがですね(笑)。

古田 大学の後輩だろって(笑)。もう4 回やってるけど、8 組ぐらいは毎回来てくれる。今年は新しいバンドにも入ってもらって……まぁ、どぶロックなんだけどね。

宮沢 それ、いいですね!

古田 最高!

画像: 宮沢氷魚(みやざわ・ひお) 1994年アメリカ生まれ。第30回『MEN’S NONNO』専属モデルオーディションでグランプリを獲得。ドラマ『コウノドリ』(2017年)で俳優デビュー。初主演映画『his』にて数々の新人賞を、また映画『騙し絵の牙』では第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』に出演。映画『THE LEGEND& BUTTERFLY』『エゴイスト』も話題に

宮沢氷魚(みやざわ・ひお) 1994年アメリカ生まれ。第30回『MEN’S NONNO』専属モデルオーディションでグランプリを獲得。ドラマ『コウノドリ』(2017年)で俳優デビュー。初主演映画『his』にて数々の新人賞を、また映画『騙し絵の牙』では第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』に出演。映画『THE LEGEND& BUTTERFLY』『エゴイスト』も話題に

──フェスならではのバラエティ感が。

古田 わがままを詰め込んだフェスっていうのは大人の趣味としては楽しいものです
よね。

宮沢 いいパラサイトですね。すごく贅沢な遊びというか、魅力的な楽しみです。僕は野球が好きなので、思うようにしてみたいものは野球ですね。スコアは常に気になっていて、18時のプレイボールの時間になるとそわそわして、出先なら携帯をチェックしちゃうんです。

古田 こうしてみたいとかあるの?

宮沢 セ・リーグ1 位とメジャー1 位のチームの対戦とか観てみたいですね。WBCもいいんですけど、たとえば広島カープが優勝したならば、所属している外国人選手も含めて、どちらのチームも普段のメンバー同士での対戦を。

古田 なるほど。おいらならプロレスだな。日米、メキシコオールスター戦とか観てみたいね。できれば、女子プロも。

宮沢 規模、大きくなりそうですね。

古田 ドームクラスでやりたいね(笑)。

THEATER MILANO-Za オープニングシリーズ
COCOON PRODUCTION 2023
『パラサイト』

90年代の関西を舞台に、日本ならではのリアリティを追求し、もうひとつの"半地下の家族"の物語を描く。台本・演出: 鄭 義信 出演:古田新太、宮沢氷魚、伊藤沙莉、江口のりこ/キムラ緑子、みのすけ/山内圭哉、恒松祐里、真木よう子 ほか
〈東京公演〉2023年6月5日~ 7月2日 THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6F) 
〈大阪公演〉2023年7月7日~17日 新歌舞伎座

公式サイトはこちら

T JAPAN LINE@友だち募集中!
おすすめ情報をお届け

友だち追加
 

LATEST

This article is a sponsored article by
''.