日本における韓流ブームの立役者で韓流エンタメのスペシャリストである田代親世さんが、韓国ドラマの魅力をさまざまな角度からご紹介!今回は、気の強い女性が登場することの多い韓国ドラマの中でも、特に強さが際立つヒロインが登場するドラマをセレクト!

TEXT BY CHIKAYO TASHIRO

冷徹な敏腕弁護士だけど、実は情も隙もある姿にキュン♡
『なぜオ・スジェなのか?』

 巨大法律事務所を背景にした法廷ラブサスペンスドラマ。主人公は高卒ながら誰もが認める敏腕弁護士として一流にのし上がったオ・スジェです。

画像: 主人公オ・スジェ役のソ・ヒョンジン。U-NEXT配信中。© SBS

主人公オ・スジェ役のソ・ヒョンジン。U-NEXT配信中。© SBS

 勝つためには手段を選ばない冷徹なスジェは、代表弁護士になる直前に衝撃的なスキャンダルに巻き込まれ、大学のロースクールに左遷されてしまいます。オ・スジェは誰よりも働いて高みを目指して一番になると決めて生きてきたため、鉄仮面のようで人間味が感じられない氷のような女性だったのに、彼女を守るためなら何でもするロースクールの学生との出会いで変わっていくんですね。

 この作品の魅力は何といってもヒロイン、オ・スジェのキャラクターです。周囲に冷たいほほえみしか見せない冷酷さで、誰に対してもズバズバものを言い放つ怖い女に見えながら、実は情のある凛としたオ・スジェを、ソ・ヒョンジンがかっこよく、凄味を感じさせる圧巻の演技で見せています。

画像: スジェに思いを寄せるロースクール生コン・チャン役のファン・イニョプ(左)と、ソ・ヒョジン(右)。U-NEXT配信中。© SBS

スジェに思いを寄せるロースクール生コン・チャン役のファン・イニョプ(左)と、ソ・ヒョジン(右)。U-NEXT配信中。© SBS

 またそんな彼女をひたすら守ろうとする学生をファン・イニョプがまっすぐに演じていて、オ・スジェが、彼の前だけでは鉄仮面がはがれてしまうのも、隙があってキュンポイントです。

 ドラマとしては、ロースクールチームを率いるオ・スジェと、財閥会長、大統領候補の政治家、そしてローファーム会長という悪人3人組との攻防が最大の見どころで、目が離せない展開になっています。

■U-NEXT配信中

成功欲が強いニュースキャスターは“最恐ヒロイン”⁉
『ミスティ~愛の真実~』

 殺人事件の容疑者となったアンカーウーマンとその弁護をすることになった夫が織りなしていく大人のラブサスペンス・ミステリーです。

画像: ニュースキャスター、コ・ヘラン役のキム・ナムジュ。U-NEXT配信中。©Jcontentree corp. all rights reserved

ニュースキャスター、コ・ヘラン役のキム・ナムジュ。U-NEXT配信中。©Jcontentree corp. all rights reserved

 7年間トップアンカーウーマンとして9時のニュースを担当しているコ・ヘラン。成功欲が人一倍強い彼女に、弁護士である夫は嫌気がさしていて夫婦関係は冷めています。そんな彼女がある殺人事件の容疑者となり、夫が弁護を引き受けることになるのですが、もう1話から全編にただならぬ緊張感がみなぎっていて、くぎ付けになります。

 成功へのすさまじいまでの執念をもつヒロインのキャラクターが強烈で、演じるキム・ナムジュのカリスマがすごすぎます。いつも崖っぷちに立っているかのような激しい女できつさがハンパなく、常に牙をむいて吠えているメスライオンのよう。痛々しくもあるけれどその欲望の強さが突き抜けていてもうかっこいいとすら思えます。ドスがきいたしゃべり方も怖くて、最強(最恐)ヒロインかも!

画像: 弁護士の夫役のチ・ジニ。U-NEXT配信中。©Jcontentree corp. all rights reserved

弁護士の夫役のチ・ジニ。U-NEXT配信中。©Jcontentree corp. all rights reserved

 一方の夫を演じるチ・ジニはほぼ眉間にたてじわが入っているような苦悩顔で登場しますが、妻を信じられず傷つき、妻を愛しては傷ついていく、という複雑な思いにしびれます。この屈折した夫婦関係の心模様も見どころです。

 ニュースアンカーの座を巡る後輩との熾烈なバトルや、昔の恋人とのヒリヒリするような関係、殺人事件に至る過程、すれ違い夫婦の愛憎関係が交差するように描かれ、霧の中にいるかのような謎めいた展開で、殺人事件の容疑者になったヒロインはどうなるのか、意味深な事件の真相は何なのか、そして離婚寸前だった夫婦関係はどうなっていくのか、もう気になってしょうがないです。 そこに亡くなった男の妻や、ヒロインの過去に関わるミステリアスな男の存在、そして大企業の悪行隠しなども加わって、事態が混沌として行けば行くほど面白くなっていき、あ~もう続き見ないと眠れないじゃん!という感じになるドラマです。

■U-NEXT配信中

新任軍検事にもかかわらず、強心臓の持ち主
『軍検事ドーベルマン』

 軍人たちを裁く軍専門の検事たちを主人公にした韓国初の軍法廷アクションドラマです。

画像: 新任軍検事チャ・ウイン役のチョ・ボア。© STUDIO DRAGON CORPORATION

新任軍検事チャ・ウイン役のチョ・ボア。© STUDIO DRAGON CORPORATION

 お金のために軍検事になった男、ド・ベマンと、復讐のために軍検事になった女、チャ・ウイン。全く違う目的のために軍検事になった主人公のふたりですが、同じ標的を倒すために手を組み、腐敗した組織を正し、悪を成敗して本当の軍検事へと成長していきます。ここで、アン・ボヒョン演じるド・ベマンは、お金のためなら白も黒にしてきた腐れ検事として登場し、口がうまくて、軽妙に立ち回れるチャーミングな魅力のある男子っぷりを発揮しているのですが、そんな彼の部署に配属されてきたのがチョ・ボア演じるチャ・ウインです。上司の命令は絶対で、加えて男社会の軍隊にあって、「法に勝る階級はない」と新任検事にも関わらず言い放ってしまう強心臓の持ち主として登場します。

画像: 軍検事ド・ベマン役のアン・ボヒョン(左)とウイン役のチョ・ボア(右)。 © STUDIO DRAGON CORPORATION

軍検事ド・ベマン役のアン・ボヒョン(左)とウイン役のチョ・ボア(右)。 © STUDIO DRAGON CORPORATION

 実は彼女はある理由で復讐のために軍検事になり、べマンを協力者にするために彼に対して荒療治を行ったり挑発的な行動を取ったりするのですが、なんといってもその強さにびっくり。気が強いだけでなく、チャ・ウインはケンカが強いという体力的な強さも兼ね備えていて、男たちの上をいくのではないかと思える圧巻のアクション。当初は疑っていたべマンも彼女の切実さを知り、また失っていた自身の過去の記憶を取り戻して、ともに戦う良き仲間になっていきます。このふたりがナイスなチームワークで悪党どもを成敗していく様は小気味よくて、すっきり痛快です。

 軍隊ならではの陰湿ないじめや事件の隠ぺい、パワハラ問題などが描かれていく社会派ドラマでもあるので、知られざる韓国軍隊のことがよくわかるドラマになっています。

■BS12 トゥエルビにて'24年1/13より放映スタート。土曜13時~15時(2話連続放送)。全24話(韓国語・日本語字幕)

田代親世 韓流ナビゲーター 
韓流解説、韓流イベント司会の第一人者。公式サイト「田代親世の韓国エンタメナビゲート」やYoutube「ちかちゃんねる☆韓流本舗」「韓ドラ・マスター親世と尚子の感想語り」などで韓流情報を発信しているほか、会員制のコミュニティ【韓流ライフナビ】を主宰。ツアーやイベントを企画・開催している。


韓流ナビゲーター・田代親世の記事一覧へ

▼あわせて読みたいおすすめ記事

T JAPAN LINE@友だち募集中!
おすすめ情報をお届け

友だち追加
 

LATEST

This article is a sponsored article by
''.