BY KANA ENDO
知性もアピールする、ロマンティックなコンプリケーションウォッチ
コンプリケーションウォッチとは複雑機構ともいい、時刻を表示する以外のプラスアルファの機能をもった時計のこと。クロノグラフもコンプリケーションのひとつで、さらに複雑なものとなるとトゥールビヨンやミニッツリピーターなどがある。時計の機構の話はどうしてもマニアックになる傾向が高く、男性向けのものと思われがちだが、実は伝統的な時計技術にはロマンティックなものも多い。例えば、ムーンフェイズは月相がわかる機構だが、腕元の小さな窓から星空や月を眺めることができるし、ミニッツリピーターは時刻を音で知らせてくれる。もはや時刻を見るだけが時計の機能でないのであれば、メゾンが誇る高度な技術に敬意を表して、知的でロマンを感じる一本を選ぶのもおすすめだ。
腕元に星空が輝くA.ランゲ&ゾーネの『ランゲ1・ムーンフェイズ』

「ランゲ1」はオフセンターの時刻表示とアウトサイズデイトと呼ばれる大ぶりのカレンダー表示が特徴のA.ランゲ&ゾーネを代表するモデルで、『ランゲ1・ムーンフェイズ』はスモールセコンド表示部分にムーンフェイズ機構を搭載した。ムーンフェイズに2枚のディスクを使用し、1枚のディスクはその日の月の満ち欠けを示す。もう1枚のディスクは24時間で一周し、夜空から昼の明るい空まで、その時間の空の情景を表現する
COURTESY OF A. LANGE & SÖHNE

A.ランゲ&ゾーネのムーンフェイズは非常に正確で、時計が動き続けた場合、1日分の誤差を修正するのは122.6年間に1日分のみという高精度を誇る。コンプリケーションながらレイアウトが美しく見やすいので、普段使いしやすい。コンプリケーションの名品で知的な腕元を演出して
ランゲ1・ムーンフェイズ<38.5mm/PGケース、手巻き、レディッシュブラウンアリゲーターストラップ>¥5,929,000/A.ランゲ&ゾーネ
A.ランゲ&ゾーネ
フリーダイヤル:0120-23-1845
COURTESY OF A.LANGE&SÖHNE
気高く時を刻むブレゲの『クラシック トゥールビヨン 3358』

腕時計をつけたときの腕の位置、姿勢差による重力の影響を回避するための機構であるトゥールビヨンは、ブレゲの創設者であるアブラアン-ルイ・ブレゲによって発明された。複雑機構はパーツが増えて大型化してしまいがちだが、このモデルはそのトゥールビヨンをブレゲが誇る高度な技術により35mmの小さなケースに収めた。さらに、ブルーエナメルと手彫りによるギヨシェが施されたダイヤルと、ダイヤモンドを配したベゼルとラグでしつらえた荘厳な一本だ。技術力をこれ見よがしに誇示せずひたすらに美しく仕上げた、女性に最適なトゥールビヨン
クラシック トゥールビヨン 3358<35mm/18KWG、ダイヤモンド、手巻き、ブラックアリゲーターストラップ、3気圧防水>¥14,443,000/ブレゲ
ブレゲ ブティック銀座
TEL:03-6254-7211
COURTESY OF BREGUET
エルメスの『アルソー ル タン ヴォヤジャー』で時空を旅する

エルメスより独自開発のデュアルタイム機構が登場した。ダイヤルはジェローム・コリヤールがデザインしたカレ 《乗馬の世界地図》をモチーフにしており、24都市の時刻とホームタイムを12時位置の小窓で表示する。独自に開発されたモジュールを使用し、回転するディスクはまるで重力に引かれる衛星のように動く。ワールドタイムはたとえ旅をしなくとも、遠くの国に想いを馳せることができるポエティックな機構。腕元から広がる空想の旅を楽しんで
アルソー ル タン ヴォヤジャー<38mm/SS、自動巻き、アリゲーター・リスもしくはヴォー・スウィフトストラップ、3気圧防水>¥2,695,000(予価)(11/1発売予定)/エルメス
エルメスジャポン
TEL:03-3569-3300
©Joël Von Allmen