TEXT & PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
御所南「Un Son Doux pâtisserie(アンソンドゥパティスリー)」
大好きな菓子店はいっぱいあるが、今月は、2022年以降にオープンした今、注目の焼き菓子店をピックアップ。わざわざ足を運んでほしい3軒です。
「Un Son Doux pâtisserie(アンソンドゥパティスリー)」は今年6月オープンながら、その存在はオープン前から気になっていた。
オープンの数ヶ月前、ワイン&コーヒースタンド「SUMI」に取材に行った際、店主が「店舗を持たず間借り営業しているすごいおいしい焼き菓子店があって、うちにも近々置いてもらうことになったんです」と、「Un Son Doux pâtisserie」の名前を教えてくれたのだ。
開店してすぐに訪れ、まずはカヌレやミルリトン、マドレーヌなど、定番のフランス伝統菓子をいただいたのだが、そのどれも、香りや味、食感をしっかり感じる、輪郭がキリリッとした印象だった。
オーナーシェフ・清水孝志さんは、「オーボンビュータン」で5年研鑽を積んだ後、「現地の菓子作りに触れたい」とフランス・サヴォワのパティスリーで1年働いたそうで、そのキャリアを聞けば、納得のクオリティーだ。
「フランスに行って、素材の持つ力に衝撃を受けました。素朴なフランスの焼き菓子を作るには素材選びが重要だと改めて思い、いずれ店をやる際は、チョコレートもクーベルチュールを使用するのではなく、自分でカカオ豆から作りたいと思うようになりました」と、帰国後はビーントゥバーのチョコレート専門店「ミニマル」で5年間修業を積んだという。
ショコラティーヌ(パンオショコラ)には、濃厚でクセのあるガーナ産カカオ豆から作るチョコレートを使うなど、店で販売されているチョコレート菓子はすべてで清水さん自身が焙煎から手がけたビーントゥーンバーチョコレートが使用されている。
店内にスタンディングテーブルが2卓あり、「ショコラーショー」やカカオの果肉100%ジュース「カカオパルプ」など、カカオドリンクのイートインも可能に。「ショコラ・グラッセ」には、フルーティなペルー産カカオ豆を使用し、果実を思わせる酸味とすっきりとした後味が楽しめる。
パティスリーながら朝8時オープンで、オープン時には、クロワッサンやブリオッシュなど、ヴィエノワズリーが次々、焼き上がっていく。
「フランスの朝食の基本は、甘いパンとコーヒー。現地のパティスリーは、早朝から営業していて、イートインスペースで、ヴィエノワズリーを食べられる店も多く、うちも現地のスタイルに倣っています」。
店のある御所南エリアは京都御苑や鴨川からもほど近く、のんびり散歩にぴったりなエリア。京都旅の朝食の選択肢にも是非加えてみてください。
「Un Son Doux pâtisserie(アンソンドゥパティスリー)」
住所:京都府京都市中京区麩屋町二条上ル布袋屋町495-1
営業時間:8:00~18:00
定休日:日曜日
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