作家、脚本家として数多くのテレビドラマを生み出した向田邦子が、不慮の飛行機事故で亡くなってから40年となる2021年。51年間の人生を風のように軽やかに駆け抜けた向田邦子を捉える展覧会が開催される

BY KANAE HASEGAWA

 向田邦子にまつわる展覧会はこれまで幾度も開催されてきた。だから本展は、振り返るのではなく、もし今、向田邦子と現代の表現者たちが出会ったら、という設定で作られている。展覧会を構成するコンテンツのひとつであるドキュメンタリー映像「向田邦子の贈り物」では、向田邦子のドラマ、小説、食、装いなどに魅せられてきた、小説家の角田光代、女優の岸本加世子、漫才師の太田光、チェロ奏者の西谷牧人、インテリアスタイリストの作原文子ほか、各界30名あまりの表現者たちが、自身の中に生き続ける向田邦子について語り、音楽を奏で、舞う。それは向田邦子と現代のクリエイターたちとの時空を超えたコラボレーションと言えるだろう。

画像: 向田邦子(KUNIKO MUKOUDA) 1929年、東京都生まれ。実践女子専門学校(現・実践女子大学)国語科を卒業後、映画雑誌の編集者を経て、ラジオの構成作家、テレビ脚本家として活躍。代表作には「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」がある。46歳での乳がん発症をきっかけにエッセイを手掛けるようになって「父の詫び状」を出版。1980年「小説新潮」に連載中の『思い出トランプ』の「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第83回直木賞を受賞。翌’81年8月飛行機事故で急逝。享年51歳 COURTESY OF KAGOSHIMA KINDAI BUNGAKUKAN

向田邦子(KUNIKO MUKOUDA)
1929年、東京都生まれ。実践女子専門学校(現・実践女子大学)国語科を卒業後、映画雑誌の編集者を経て、ラジオの構成作家、テレビ脚本家として活躍。代表作には「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」がある。46歳での乳がん発症をきっかけにエッセイを手掛けるようになって「父の詫び状」を出版。1980年「小説新潮」に連載中の『思い出トランプ』の「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第83回直木賞を受賞。翌’81年8月飛行機事故で急逝。享年51歳
COURTESY OF KAGOSHIMA KINDAI BUNGAKUKAN

 邦子の9つ年下の妹で、本展を監修する向田和子さんは「姉の作品は、受け取る人に何らかの作用をするのでしょう。だから新しい世代の方々にも読み継がれ、見続けられているのだと思っています。だとしたら、姉の軌跡を振り返るだけでなく、新たな世代やいろいろなジャンルの人たちと新たなクリエーションを生んで、未来に繋げるようなことができないかと思いました」と本展への思いを語る。

画像: PHOTOGRAPH BY SATOSHI YAMAGUCHI

PHOTOGRAPH BY SATOSHI YAMAGUCHI

 向田邦子がお気に入りだったファッション、家具、器、手書き原稿、自身で撮影した旅の写真など、約300点の資料を通して、日常の営みを楽しみ、困難な状況でも取り乱すことなく、好転させてしまう向田邦子の人生に対する姿勢に触れることができそうだ。

画像: PHOTOGRAPHS BY SATOSHI YAMAGUCHI

PHOTOGRAPHS BY SATOSHI YAMAGUCHI

 会期中は、“一人暮らしの女性が気軽に入ってきちんとした料理を食べる場所が欲しい”という邦子の思いから赤坂で開店し、和子さんが切りもりした伝説の小料理屋「ままや」の看板メニューが、料理家、冷水希三子さんの解釈によって会場併設のスパイラルカフェに登場する。これも邦子と現代の料理家とのコラボレーションだ。

 風の時代の幕開け、展覧会を通して向田邦子の気配をそこかしこに感じてみてほしい。

向田邦子 没後40年特別イベント
「いま、風が吹いている」

会期:2021年1月14 日(木)~24 日(日)
会場:SPIRAL(スパイラル)
住所:東京都港区南青山5-6-23
休館日:無休
開場時間:11:00~20:00
展覧会入場料:無料(入場制限をする場合があります)
電話:03(3498)1171<代表>
公式サイト

※ スパイラルホールで予定していた上映・公演はすべて配信公演に変更。詳細はテレビマンユニオン チャンネルにてご確認ください。
※ 新型コロナウイルスの感染・拡散防止のための会場時間・入場制限等は、公式サイトをご確認ください。

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