アンディ・ウォーホルやピカソなども並ぶ、市民コレクターがその礎を築いたルートヴィヒ美術館のコレクション展。気鋭のメディアアート作品を堪能できる『ICC アニュアル 2022 生命的なものたち』。オンラインとリアルで開催する『浅間国際フォトフェスティバル2022』。今週見るべき3つのエキシビションをピックアップ

BY MASANOBU MATSUMOTO

『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡ー市民が創った珠玉のコレクション』|国立新美術館

画像: (左)カジミール・マレーヴィチ《スプレムス 38番》 1916年 油彩/カンヴァス 102.5 × 67.0 cm MUSEUM LUDWIG, KÖLN / COLOGNE, ML 01294. (PHOTO: © RHEINISCHES BILDARCHIV KÖLN, RBA_D033965_01) (右)モーリス・ルイス《夜明けの柱》 1961年 アクリル絵具/カンヴァス 220.0 × 122.0 cm MUSEUM LUDWIG, KÖLN / COLOGNE, ML 01091. (PHOTO: © RHEINISCHES BILDARCHIV KÖLN, RBA_D040139)

(左)カジミール・マレーヴィチ《スプレムス 38番》 
1916年 油彩/カンヴァス 102.5 × 67.0 cm
MUSEUM LUDWIG, KÖLN / COLOGNE, ML 01294. (PHOTO: © RHEINISCHES BILDARCHIV KÖLN, RBA_D033965_01)
(右)モーリス・ルイス《夜明けの柱》
1961年 アクリル絵具/カンヴァス 220.0 × 122.0 cm 
MUSEUM LUDWIG, KÖLN / COLOGNE, ML 01091. (PHOTO: © RHEINISCHES BILDARCHIV KÖLN, RBA_D040139)

 ドイツ・ケルン市にあるルートヴィヒ美術館。その世界有数の質と量を誇る、20世紀初頭から現代までのアートコレクションは、市民コレクターが大きく寄与して形成されてきたものだ。いわば、芸術と芸術文化を愛する市民たちの豊かなつながりが礎にある美術館ーー。本展は、そのコレクションの代表的な作品約150点を、寄贈に関わったコレクターたちに焦点を当てながら紹介する。

 たとえば、美術館に名を冠するルートヴィヒ夫妻が寄贈した、アンディ・ウォーホルやリキテンスタインといったポップアートや、マレーヴィチ、ロトチェンコなどロシア・アヴァンギャルドの貴重な作品群、パブロ・ピカソの選りすぐりの作品。ケルンで弁護士として活躍したヨーゼフ・ハウプリヒが寄贈した表現主義や新即物主義などドイツ近代美術の名品。優れた写真コレクションも見どころだ。美術館が市民コレクター、社会と結びついたひとつのモデルを提示するとともに、ドイツ表現主義からキュビスム、シュルリアリスム、抽象表現、2000年代以降の今日のアートまでの近・現代美術史のハイライトに触れられるのも、本展ならでは。

『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡ー市民が創った珠玉のコレクション』
会期:~9月26日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
住所:東京都港区六本木 7-22-2
開館時間:10:00~18:00(金・土曜は20:00まで)
※入場は閉館時間の30分前まで
休館日:火曜
料金:一般 ¥2,000、大学生 ¥1,200、高校生 ¥800、中学生以下無料
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイトはこちら

『ICC アニュアル 2022 生命的なものたち』|NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]

画像: エレナ・ノックス《The Masters》2021年 図版提供:トーキョーアーツアンドスペース PHOTOGRAPH BY KENJI TAKAHASHI

エレナ・ノックス《The Masters》2021年
図版提供:トーキョーアーツアンドスペース
PHOTOGRAPH BY KENJI TAKAHASHI

 東京・新宿にあるICCは、新しいテクノロジーを駆使した芸術作品やインタラクティブな作品、いわばメディアアートをいち早く紹介してきた文化施設だ。「ICC アニュアル」は、今年リニューアルされた企画展。メディアテクノロジーの動向や環境、社会におけるテクノロジーのあり方、またそれに触発され更新される人間の意識のありようを展示作品から考察する。

 今回のテーマは「生命的なものたち」。たとえば、スマートホームに接続された「キャラクター召喚装置」に現れるAIキャラクターをモチーフにしたエレナ・ノックス《The Masters》。現実空間の箱庭に設置された「家」と呼ばれる小型ロボットが動き回り、その家々に生息するNFT(非代替性トークン)のデジタル人工生命体(各個体の情報はNFTに登録されており、売買することも可能)が“子孫繁栄”を行う菅野創+加藤明洋+綿貫岳海の《かぞくっち》も面白い(もはやロボットは家であり、NFTが生命の表象であるわけだ!)。ほか、タンパク質の構造や生命の自己組織化のプロセスをドローイングに取り入れる村山吾郎の新作、「同期現象」と呼ばれる自然現象を利用したnorのキネティックサインドインスタレーションなど多彩な作品が一堂に会する。

『ICC アニュアル 2022 生命的なものたち』
会期: 〜 2023年1月15日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4F
開館時間:10:00~18:00(入場は閉館時間の30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は開館し、翌日休館)、8月7日、年末年始(12月26日〜2023年1月4日)
料金:一般 ¥500、大学生 ¥400、高校生以下無料
※事前予約推奨。オンラインチケットはこちらから
電話:0120-144199
公式サイトはこちら

『浅間国際フォトフェスティバル2022』|MMoP(モップ)ほか

画像: 仮想空間で開催される『浅間国際フォトフェスティバル2022 PHOTO ALT』でのSystem of Cultureの作品展示風景。System of Cultureは小松利光と佐々木祐真の2名からなるユニット。(左から)《Gel Ball》2020年、《 I Can Save Myselfat Last》2017年、《 Gummy bears on a mug》2021年

仮想空間で開催される『浅間国際フォトフェスティバル2022 PHOTO ALT』でのSystem of Cultureの作品展示風景。System of Cultureは小松利光と佐々木祐真の2名からなるユニット。(左から)《Gel Ball》2020年、《 I Can Save Myselfat Last》2017年、《 Gummy bears on a mug》2021年

 浅間国際フォトフェスティバルは、浅間山麓の地域を舞台に2018年にはじまったアートフォトの祭典。今年は御代田エリアの「PHOTO MIYOTA」、仮想空間での「PHOTO ALT」の2つのセクションを開催している。

「PHOTO MIYOTA」は、衣食住と写真を楽しめる複合施設「MMoP(モップ)」がメイン会場。展示作品は、ファッション写真の分野でも活躍するヴィヴィアン・サッセンの近作「Venus & Mercury」や、石内都が1980年代に撮影した「連夜の街」のカラー版、またウクライナ出身でアメリカ在住の写真家イェレナ・ヤムチュックの作品など。また、MMpP内に新しくできた「御代田写真美術館」では、グッチの特別展『NEW GENTLEMAN 新時代の紳士の肖像』展を開催。森山大道らが俳優の志尊淳ら、現代のジェントルマンを撮りおろしたポートレイトが並ぶ。

「PHOTO ALT」は、建築家の谷尻誠が空間設計を担当した「amana virtual museum」が会場。これは、メタバースのなかにつくられた仮想ミュージアムで、国内外で活躍するアーティストたちの作品を鑑賞できるとともに、解説を読んだり、作家のインタビュー動画も閲覧可能。写真展の新しいかたちが垣間見える。

『浅間国際フォトフェスティバル2022』
会期:~9月4日(日)

<PHOTO MIYOTA>
会場:MMoP(モップ)
住所:長野県北佐久郡御代田町馬瀬口1794-1
時間:10:00〜17:00
※屋内展示は最終入場16:30まで
休場日:水曜(※8月10日は開場)
料金:一部有料(詳細は公式サイトにて)
メール:info@asamaphotofes.jp
公式サイトはこちら

<PHOTO ALT>
会場:amana virtual museum
こちらから入場可能
料金:無料

※新型コロナウイルス感染予防に関する来館時の注意、最新情報は各施設の公式サイトを確認ください

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