この秋、日本初上陸となるコンテンポラリーダンスの祭典「ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペル」。彩の国さいたま芸術劇場では、10月19日(土)・20日(日)に『D’après une histoire vraie─本当にあった話から』、10月26日(土)・27日(日)に『Corps extrêmes─身体の極限で』の2作品を上演。異才を放つ二人の振付家による新感覚のパフォーマンスは必見だ

BY EMI ARITA

画像: (左から)PHOTOGRAPH BY MARC DOMAGE、PHOTOGRAPH BY PASCALE CHOLETTE

(左から)PHOTOGRAPH BY MARC DOMAGE、PHOTOGRAPH BY PASCALE CHOLETTE

 ロンドン、香港、ニューヨークに続き、この秋、日本で初開催されるヴァン クリーフ&アーペルによるモダンダンスとコンテンポラリーダンスのフェスティバル「ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペル」。これまでも選りすぐりのコンテンポラリーダンスを上演してきた彩の国さいたま芸術劇場では、このフェスティバルの一環として、世界で注目を集める2作品を上演する。

 10月19日(土)・20日(日)に上演されるのは、フランスのアーティスト、クリスチャン・リゾーによる『D’après une histoire vraie─本当にあった話から』。

画像: PHOTOGRAPH BY MARC DOMAGE

PHOTOGRAPH BY MARC DOMAGE

 2015 年よりモンペリエの国立振付センターICI-CCN のディレクターを務めるクリスチャン・リゾーは、造形美術家、デザイナー、ミュージシャン、振付家、舞台美術家、オペラの演出家などマルチな才能を発揮し、ヨーロッパのアートシーンを牽引してきた。

 2013年より世界各地で公演を重ねてきた『D’après une histoire vraie─本当にあった話から』は、リゾーがイスタンブールの街で見かけた、男性集団による鮮烈なダンスにインスパイアされて生まれたもの。舞台に現れるのは、8人の男性ダンサー。はじめはひとりが踊り出し、しばらくするといくつかの二人組ができ、それぞれが好きなように踊り始めたかと思えば、またひとりが外れたところで全く違う動きを見せる。互いに共鳴したり、離反したりを繰り返すうちに、8人はただの“群れ”から“共同体”となり、ダイナミックなダンスパフォーマンスが繰り広げられる。

 舞台に響き渡る2人のドラマーによる多彩な音色に呼応するように、8人のダンサーがときに優雅に、ときに情熱的に舞い、さまざまな感情やエネルギーが交錯する中で、ひとつの“ダンス”が生まれていく。その瞬間を目撃してみてほしい。

画像1: "d'après une histoire vraie" de Christian Rizzo — Teaser vimeo.com

"d'après une histoire vraie" de Christian Rizzo — Teaser

vimeo.com

 10月26日(土)・27日(日)に上演される『Corps extrêmes─身体の極限で』は、ハイライナー、クライマー、アクロバットパフォーマーが、スポーツとアートの境界を超えた驚異のパフォーマンスを繰り広げる。

画像: PHOTOGRAPH BY PASCALE CHOLETTE

PHOTOGRAPH BY PASCALE CHOLETTE

 2021年にパリのシャイヨー国立劇場ディレクターに就任した、パフォーマー・振付家のラシッド・ウランダンによる『Corps extrêmes―身体の極限で』は、「空中を飛びたい、無重力になってみたい、 宙吊りになってみたい」と誰もが一度は抱いたことがある願望がひき起こす、ある種の魅惑に焦点をあてた作品。

 幕があがると、超高所にあるロープを渡るハイライナーに、高さ7mのクライミングウォールを軽やかに登るクライマー、宙返りやリフトなどを組み合わせた8人のパフォーマーによるアクロバティックなダンスが次々と展開され、一気に惹き込まれていく。

 まるでサーカスのように宙を舞うパフォーマンスに見惚れていると、ハイラインの世界記録保持者、ナタン・ポランと、切り立つ岩壁を果敢に登るクライマー、ニーナ・カプリッツの映像とともに、彼らの声が会場に響き渡る。リスクと隣合わせの恐怖を感じながらも、なぜ空を目指すのか──。エクストリームスポーツに挑むアスリートたちのリアルな映像と言葉によって、目の前で超人的な空中技を魅せるパフォーマーたちの、秘めたる心の内も解き明かされる。

画像1: Rachid Ouramdane • Corps extrêmes vimeo.com

Rachid Ouramdane • Corps extrêmes

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 両作品は、彩の国さいたま芸術劇場で上演される埼玉公演のほか、京都公演も予定されている。フランスの異才振付家による新感覚のダンスパフォーマンスは、ぜひ劇場で体感を。

クリスチャン・リゾー
『D’après une histoire vraie─本当にあった話から』
日時:10月19日(土)19:00開演
   10月20日(日)15:00開演
※京都公演は、10月12日(土)・13日(日)、京都芸術劇場 春秋座にて
京都公演詳細はこちら

ラシッド・ウランダン
『Corps extrêmes─身体の極限で』
日時:10月26日(土)19:00開演
   10月27日(日)15:00開演
※京都公演は、11月2日(土)・3日(日)、ロームシアター京都 サウスホールにて
京都公演詳細はこちら

会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
住所:埼玉県さいたま市中央区上峰3-15-1
問い合わせ先
SAFチケットセンター
TEL. 0570-064-939(劇場休館日を除く10:00~18:00)
公式サイトはこちら

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