BY MICHINO OGURA

表参道ヒルズのギャラリー「AND COLLECTION」のエントランス。
PHOTOGRAPH BY XORIUM
3月8日は国連が定める国際女性デー。女性たちの取組みの成果を称えるとともに、教育・雇用・政治参加などに残る格差や不平等、暴力の問題を考える日とされている。さまざまな取り組みが発信されるなか、注目したい『A Book Arts Revolution』展が開催中だ。国内外の美術展で活躍する日本人女性現代美術家5人が集結する。
今展覧会を知る前におさえておきたいのが、ワシントンD.C.の美術館「National Museum of Women in the Arts」(通称NMWA)について。NMWAは米国ワシントンD.C.を拠点に、作品の展示と収集を通じて気づきを促す活動を行う美術館だ。米国のTime Out誌では“アメリカで見るべき美術館”のトップ10にもランクインしている。
NMWAの主な活動として、世界の女性美術作家を発掘するプロジェクト「Woman to Watch(注目すべき女性たち)」という企画展がある。きたる2027年はNMWA開館40周年、「Woman to Watch」プロジェクト発足から20周年という節目の年。現在、各国共通テーマとして「A Book Arts Revolution」を掲げ、参加アーティストの選定が進められている。日本で行われる展示も本国と連携しており、今回参加する5名のうち1名がワシントンD.C.で開かれる第8回『Woman to Watch 2027』に参加するという流れだ。

オープニングレセプションに参加した面々。左から、キュレーターを務める新国立美術館の神谷幸江、入江早耶、風間サチコ、宮永愛子、村上華子、米田知子、NMWA代表理事・柏木式子
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表参道ヒルズ内ギャラリー「AND COLLECTION」でスタートした『A Book Arts Revolution』に参加したのは入江早耶、風間サチコ、宮永愛子、村上華子、米田知子(五十音順)の5名。コンサルティング・キュレーターとして参加する国立新美術館学芸課長・神谷幸江が彼女たちを選んだ。テーマとなった“本”は、歴史や詩、写真やイラストなど、アートとも親和性の高い媒体であり、知的好奇心を満たしながら、他人や知らない世界へと興味をもつきっかけともなるもの。5人の作家もそれぞれの持つ世界と“本”との関係を深める。

宮永愛子は「今はこうあっても、明日には変わっているかもしれない」不確かさをガラスの彫刻で表現。文章を読みながらも、そこに書かれていないところに想像力の翼を広げる。
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入江早耶は消しゴムを使用した後に出る屑をつかって立体を作成。古書に描かれる鳥を一度消し、その屑から鳥の立体を生み出した。
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彫刻刀1本で木版を切り裂き、1枚だけ刷られる版画。「属性にとらわれず、私個人から生まれ出たもの」と語る風間サチコ。
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写真の個展技法や複製技術に着目し、 “見ること”の根源に立ち返ろうとする村上の試み。こちらは、入場者は持ち帰ることができる作品。ここにも写真の歴史の物語が映し出される。
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写真家の米田知子は「フロイトの眼鏡―ユングのテキストで見る」に関連する作品を3点を展示。物語の背景を知るのも面白い。
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同時代を生きる女性アーティストたちの目を通した“本”の世界は多様で魅力的なものばかり。日本から発信される声がどのように世界に響くのか注目したい。
A Book Arts Revolution
会期:〜2026年 3月29日(日) 11:00–20:00 (無休)
会場:AND COLLECTION Contemporary Art
東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ本館 B2F
入場料:無料
主催:NMWA日本委員会
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