BY TERUNO TAIRA, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO
もはや亜熱帯気候では?と思えるような日本の夏。気温だけでなく、湿度も高い日本の夏はにおいがこもりやすい。そんなこともあってか、日本では年末のクリスマスシーズンとともに、香水が売れるハイシーズンは夏場だと言う。とはいえ、気になるにおいを“マスキング”するために香りをまとうのは危険だ。汗や体臭と混じりあって、好ましいはずの香りが不快な匂いになってしまう可能性がなくはないから。
香り立ちは湿度に左右されやすいので、この時季は賦香率(香りの濃度)の高いパルファム(香水)やオードパルファムではなく、軽やかな香り立ちのオードトワレ、あるいは素肌にパシャパシャと浴びるようにつけられるオーデコロンをおすすめしたい。オーデトワレで香りの持続時間は3~4時間、オーデコロンは1~2時間。EAU DE(オーデ)と呼ばれるものは香水を水で割っているので香りの濃度が低く、揮発もしやすいのだ。
ただし、香りの中でもいちばん賦香率が高く、つけた箇所に“点”でとどまるパルファムとは違って、オーデトワレやオーデコロンは拡散性がある。つけすぎるとまわりに「くさい」と思われてしまう危険性もあるので気をつけたい。周囲の人の鼻を直撃しないよう、腰から下、または身体の側面や背面につけるなど、香りのまとい方にも配慮が必要だ。