BY TERUNO TAIRA, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO
夏に香りを失敗なくまといたいなら、やはりオーデコロンがいい。オーデコロン発祥の地はドイツのケルン市と言われ、“ケルンの水”がその語源だ。オーデコロンは一般的に、オレンジやベルガモットなどの柑橘類を水に浸け込んだような、みずみずしく軽やかなシトラスノートであることが多い。嫌味もクセもないから、シャワーを浴びた後の素肌にパシャパシャと浸みこませるようにつけると、衣服を羽織ったときに素肌からすっきりとした清らかなシトラスの香りが漂う。不快指数の高い夏には、このぐらいの香り方がちょうどいい。
香り方が強すぎないオーデコロンであれば、私はあえてひじから先の手元につけることも。こうして香りをまとうと、腕を動かしたときに自分の周りでスーッといい香りが広がり、周りの不快なにおいからも守られているような心持ちに。ちなみにこの方法は、シャツやジャケットなどを羽織る秋冬に、オードパルファムなど賦香率の高い香りをつけるときにも使っている。
お気に入りの香りがオーデトワレやオードパルファムなど、オーデコロンより賦香率が高いものの場合、夏は肌に水スプレーをかけた上からなじませて、香りの印象を弱めるという方法も。香りをつけすぎたと感じるときもこの要領で、水で軽く洗い流せばOK。そのためにも、フレグランスは衣服ではなく素肌にまとう方が香り立ちを調整しやすい。
さらに、オーデパルファムなら腰から下あたりの「空気」にスプレーで吹きかけて香りの霧を作り、その中をウォーキングするという手もある。香りの粒子を肌にふんわりまとうのに最適な方法だ。香水をスプレーしたあと手首をこすり合わせる動作を映画などで観ることがあるけれど、こすることで香りの粒子を潰してしまうので、本来はNGなのだとか。
まわりの空気が淀む夏、さらっと美しい香りを涼し気にまとって、心地よく過ごしたい。