BY EMI ARITA
アキッレ・カスティリオーニの「クマノ フォールディングテーブル」
日常に溢れるモノへの鋭い観察眼から生まれる独創的なプロダクトで、近代イタリアのデザイン界を牽引した建築家・デザイナーのアキッレ・カスティリオーニ。1978年にデザインした「クマノ フォールディングテーブル」は、パリのビストロで一般的に使用されていた三本足のテーブルを再解釈した折りたたみ式テーブル。その美しい造形と優れた機能性から、1981年にコンパッソ・ドーロ賞を受賞している。
くねらせた足を束ねている中央のジョイント部分には、当時新素材として注目されていたABS樹脂を採用し、スムーズな開閉を実現。天板の隅に空いている穴は、開閉時に指を引っ掛けられるだけでなく、付属の専用フックを通す穴にもなっており、使わない時には壁にかけて収納することも可能。カラーはブラック、ホワイトのほか、深みのあるレッド、グリーンなど全7色。
メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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イサム・ノグチの「プリズマティック テーブル」
モニュメントや公園などの環境設計から家具デザイン、舞台美術と幅広い分野で活躍した、20世紀を代表する彫刻家、イサム・ノグチ。家具においては“光の彫刻”と評される和紙シェードの照明「AKARI」シリーズが有名だが、テーブルにおいても今なお愛される名作を手掛けてきた。1957年にデザインした「プリズマティック テーブル」もそのひとつ。
伝統的な日本の折り紙からインスピレーションを受けデザインされた「プリズマティック テーブル」は、パウダーコート仕上げを施した3枚のアルミニウムシートが、まさに折り紙のように曲げられた幾何学的なデザインが特徴。彫刻的な六角形のフォルムと濃淡のある3色が描くグラデーションにより、複数台組み合わせるとまるで万華鏡のように空間を彩る。さりげなく1台をベッドサイドに、あるいは複数台並べてリビングのコーヒーテーブルに、と用途にあわせてコーディネートして楽しみたい。
ヴィトラ
TEL. 0120-924-725
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アレッサンドロ・メンディーニの「ロイ」
20世紀後半のネオ・モダンの立役者でもあり、コンテンポラリーなプロダクトで魅了したイタリアデザイン界の巨匠アレッサンドロ・メンディーニ。2019年に逝去するまで現役デザイナーとして精力的に活動し続けたメンディーニが、2016年にカルテルより発表したのが、こちらの「ロイ」。
伝統的な樽型のチャイニーズスツールと、ロイ・リキテンシュタインを連想させるアメリカンポップアートのグラフィカルパターンという異なる要素を見事に融合させたミックススタイルが特徴で、ラディカルなデザインを得意としたメンディーニらしさが光る作品。樹脂製のスツールとして作られたものだが、座面が水平なため、サイドテーブルや飾り棚、庭やバルコニーのテーブルとあらゆるシーンで活躍。カラーは落ち着いたブラックとホワイトのほか、ポップアートをイメージしたパステル調のペールカラーの全5色。
カルテル
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エーロ・サーリネンの「サーリネン コレクション・サイドテーブル」
アメリカの近代デザインの巨匠エーロ・サーリネンが、1957年にデザインした「サーリネン コレクション サイドテーブル」は、ミッドセンチュリーを代表するテーブルの名作。すっと伸びる1本脚は、4本脚の椅子×4本脚のテーブルの組み合わせによって生じるテーブル下の混雑状態を解決するべくデザインされたもの。5年もの歳月を研究に費やし、この1本脚で自立するテーブルを実現させた。
有機的で滑らかな曲線を描く華奢な1本脚ながら重い大理石の天板を支えられるよう、完璧に計算し尽くされたデザインは、見惚れるほどに端正な美しさを放つ。天板はラミネート、ウッド、マーブルなどのバリエーションがあり、サイズもΦ41・51cmのラウンド型とW57cmのオーバル型から選択可能。ベースはホワイトとブラックの2色。
ノルジャパン
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マルセル・ブロイヤーの「ネスティングテーブル」
工芸、デザインなど美術や建築に関する総合的な教育を行う学校として、1919年ドイツのワイマールに誕生した「バウハウス」。その1期生であり、「ワシリーチェア」など数々の名作椅子を生み出したバウハウスを代表するデザイナー、マルセル・ブロイヤー。1936年にデザインした「ネスティングテーブル」も、バウハウスのアイコン的存在として知られる名作だ。
当時“史上最もシンプルなテーブル”と評された「ネスティングテーブル」は、厚さ11mmのバーチ合板の一枚板を断裁して成形。無垢材に比べ、薄くとも強度のあるプライウッドの特性を活かしたしなやかな造形は、いつまでも色褪せないタイムレスな美しさを持つ。サイズはミディアムとラージの2種。両サイズがセットになった「ペア」ならより幅広い使い方を楽しめる。
メトロクス
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アルヴァ・アアルトの「サイドテーブル 915」
フィンランドのモダンデザイン界の巨匠アルヴァ・アアルトが1932年にデザインした「サイドテーブル 915」は、妻のアイノ・アアルトと携わったフィンランドの結核療養所「パイミオ サナトリウム」のプロジェクトのためにデザインされたもの。成形合板の技術を用いたアアルト特有の流れるような曲線美を愛でることができる。
ループ型のフレームは、アルテックの伝統的な技術である「ラメラ曲げ木」を使い、合板でありながらまるで無垢の木のように美しく滑らか。ループの上下に取り付けられたバーチ材によるプライウッドの天板は、物が落ちにくいように天板の縁が上に反るよう工夫されているのも秀逸だ。カラーはブラックとホワイトの2色。
アルテック
TEL. 0120-610-599
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ボーエ・モーエンセンの「BM0488」
北欧モダンの巨匠コーア・クリントに師事したことでも知られるデンマークを代表するデザイナー、ボーエ・モーエンセン。家具マイスターの資格を持ち、シンプルかつ実用的なプロダクトを手掛けてきた。1958年にデザインした「BM0488S」は、時と共に変化するニーズに寄り添えるよう、高い汎用性を追求した作品のひとつ。
空間を美しく設えるシンプルなラインと籐を二重に編み込んだ天板が特徴で、光を受けると天板の模様が美しい陰影を描く。フレーム部には無垢のオーク材を使用。丸みを帯びた面取り加工や滑らかな接合部の継ぎ手と、木部のディテールからも、モーエンセンの並々ならぬクラフトマンシップが感じられる。素材の温かみと美しい佇まいのサイドテーブルで、ソファやベッドで過ごすくつろぎのひとときを演出したい。
カール・ハンセン&サン 東京本店/カール・ハンセン&サン 大阪
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