ファッションとは解放することーー。世の中のさまざまな枠を外し、いち早く多様な価値観を多彩に提示、体現してきたデザイナー、ゴルチエ。その半生と軌跡、そして精神を、絢爛たる時代の寵児たちも登場し綴るドキュメンタリー映画の魅力を紹介する

BY MAKIKO TAKAHASHI

画像1: 映画「ジャンポール・ゴルチエの
ファッション狂騒劇」が映し出す
ゴルチエの哲学とは何か?

 ドキュメンタリー映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』は、人気デザイナー、ゴルチエの創作の源や苦悩を鮮やかにあぶり出す。本人が企画・脚本・演出を手がけ、その半生をたどった内容で世界各国の観客を動員中のミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』の舞台裏に密着。異端児だった幼少期やパリ・コレデビューの記憶、エイズで亡くなったパートナーとの出会いから看取りまで悲喜こもごものエピソードが本人の声で語られ、ファッション好きでなくても堪能できそうだ。1980年代以降、男と女、老人と若者、上着と下着など、さまざまな垣根を取り払い、いち早く多様性を訴えてきたゴルチエ。取材するたびに耳にした「美は至るところにある」「ファッションとは解放すること」といった彼の信条が全編に貫かれる。それにしても、歌手マドンナが着て話題になった"コーンブラ"は、3歳のときに人形遊びを禁じられてクマのぬいぐるみに円錐形の"胸"をつけたのが由来だったとは知らなかった。

監督はマクロン大統領のドキュメンタリーなどを手がけたヤン・レノレ。マドンナ、カトリーヌ・ドヌーヴほか、錚々たる面々が登場。9月29日(金)より全国で公開。

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