日本における韓流ブームの立役者で韓流エンタメのスペシャリストである田代親世さんが、韓国ドラマの魅力をさまざまな切り口でご紹介。今回は日韓合作ドラマ『匿名の恋人たち』でその愛らしさを再認識させたハン・ヒョジュの作品から3本をセレクト!

TEXT BY CHIKAYO TASHIRO

ヒロインは視線恐怖症のショコラティエ
『匿名の恋人たち』

 これは日韓のスタッフ&キャストで製作された合作ドラマ。フランス映画が原作で、人に触れられない潔癖症の御曹司と、人の目を見られない視線恐怖症の天才ショコラティエのヒロインが、チョコレートを通じて心を通わせるロマンティックコメディです。

画像: 主演の小栗旬(右)とハン・ヒョジュ(左)。Netflixシリーズ「匿名の恋人たち」独占配信中

主演の小栗旬(右)とハン・ヒョジュ(左)。Netflixシリーズ「匿名の恋人たち」独占配信中

 食べ物を扱う作品は、もうそれだけで勝率が上がるというか、本作も、ショコラティエが主人公だけに、惚れぼれする美味しそうなチョコレートがたくさん登場して観る者の心をつかみます。舞台となるチョコレートショップの看板商品が「レインボーパレット」という7種類のボンボンショコラセットということで、各話ごとにそれぞれのチョコレートにまつわるエピソードが描かれて、そのたびに2人の恋心が育まれていく展開になるのが洒落ています。オープニングタイトルの背景が毎回、その回で登場するエピソードのチョコレートの製造工程を見せてくれるのも凝っています。

画像: 匿名の天才ショコラティエ役のハン・ヒョジュ。Netflixシリーズ「匿名の恋人たち」独占配信中

匿名の天才ショコラティエ役のハン・ヒョジュ。Netflixシリーズ「匿名の恋人たち」独占配信中

 そしてキャラクターが魅力的。ショコラティエを演じるハン・ヒョジュが、話し方から仕草や表情に至るまで、とにかく愛らしく可愛いんです。一方の小栗旬扮する御曹司も、最初は生意気な奴かと思わせながら、実は心のあるナイスなキャラで、鍛えた体型も含めて素敵です。そんな2人の「おいおい君たち中学生かよ~」と言いたくなるピュアで不器用なラブストーリーが微笑ましいです。赤西仁と中村ゆり演じる第2のカップルも主人公たちに程よく絡んで、そのバランスもグッド。最終回の特別出演者にもびっくりしてほしいですね。

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第21代王・英祖の母だった実在の女性を描く
『トンイ』

 『トンイ』は、『宮廷女官チャングムの誓い』『薯童謠(ソドンヨ)』『イ・サン』など数々の大ヒット時代劇を手がけてきた時代劇の巨匠、イ・ビョンフン監督が放つドラマです。イ・ビョンフン監督作品と言えば、歴史上の実在の人物を主人公にしながら、フィクションやエンターテインメント性をふんだんに取り入れ、見る者をぐいぐいと引きつけて離さないストーリー展開でおなじみ。言ってみれば面白さ保証付きのブランドです。

画像: トンイ役のハン・ヒョジュ(右)とチャン尚宮役のイ・ソヨン(左)。©2010 MBC

トンイ役のハン・ヒョジュ(右)とチャン尚宮役のイ・ソヨン(左)。©2010 MBC

 本作では朝鮮王朝第19代王・粛宗の側室にして、イ・サンの祖父にあたる第21代王・英祖の母親だった実在の女性トンイが主人公。最下層の身分から、その人間的魅力と才覚で王の側室となり、やがてのちの国王の母親となっていく波乱万丈の人生をエンターテインメント色たっぷりに描いていきます。時代劇初挑戦だったハン・ヒョジュ演じるトンイの、好奇心が多く明朗快活で純粋で、志のために奮闘していく姿は、見ていてすがすがしい気持ちになります。どんどんライフステージを変えていきますが、それぞれのステージで活躍していくトンイの姿に勇気をもらえます。またチ・ジニ扮する粛宗はこれまでの厳格な王様イメージとは異なり、ざっくばらんでコミカルな面も見せる魅力的な王様として登場し、序盤には身分を隠して出会ったトンイとの面白いやり取りが楽しく描かれていきます。

画像: 主演のハン・ヒョジュ(右)、第19代王・粛宗役のチ・ジニ(中)、イ・ソヨン(左)。©2010 MBC

主演のハン・ヒョジュ(右)、第19代王・粛宗役のチ・ジニ(中)、イ・ソヨン(左)。©2010 MBC

 が、このドラマの真骨頂はやはりトンイが母になってからのパートでしょう。トンイの哲学がにじみ出る素晴らしい名言が飛び出し、子育て、ひいては人を育てるにはかくあるべしという志、思想、姿が素晴らしいんです。これぞ親の鏡です。ドラマ全体に「身分は関係ない。心に尊い志を持てば尊い人になれる」というテーマが貫かれ、感動必至のドラマです。

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漫画の主人公と愛し合う仲に⁉
『W -君と僕の世界-』

 これは、主人公たちが漫画の世界と現実世界とを行き来するというラブ・ファンタジードラマです。誰しも、漫画に入り込むと、ヒロインに自分を置き換えて主人公男子とのやり取りを妄想した経験があるかと思いますが、これは、まさにその妄想をドラマにしたお話です。

画像: ヒロイン役のハン・ヒョジュ。©2016 MBC

ヒロイン役のハン・ヒョジュ。©2016 MBC

 国民的人気を誇るウェブ漫画「W」の主人公がいつの間にか作者の手を離れて一人歩きし始め、恐怖を覚えた漫画の作家はこの主人公を殺して連載を終わらせようとするのですが、漫画の大ファンだった作家の娘がいつの間にか漫画の世界に引きずり込まれ、主人公を助けてしまいます。そこから彼女も漫画の登場人物となり、漫画と現実世界を行き来して、漫画の主人公と愛し合うようになっていくという物語です。「現実」と「マンガ」という2つの空間を行き交う、今までになかった設定で、いったいどこに行きつくのか、先が全く読めない面白さになっています。

画像: 主演のイ・ジョンソク。©2016 MBC

主演のイ・ジョンソク。©2016 MBC

 ヒロインを演じるハン・ヒョジュは、天真爛漫で感情豊かでユーモアがあってはっちゃけていて、今作でも見ていて心地よい愛らしさを発揮しています。また漫画の主人公を演じたイ・ジョンソクの魅力も満載。長い手足の常人離れしたプロポーション、白い肌に赤い唇、口の端をほんの少し上げた微笑みだけで女心を魅了する青年。まさに少女漫画から抜け出してきたような、男ながらも麗しいクールビューティーぶりで、なんてことのない表情で、ズキュン、ズキュンと乙女心を撃ち抜いていくツンデレ感がいいんです!そんな彼が、苦悩し傷つきながらも、愛する女性を守りたい思いで2つの世界を行き来していく姿に胸キュンです。斬新なストーリー展開にうなりながら、美男美女のお似合いのカップルの愛の行方を見届けてください。

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田代親世 韓流ナビゲーター 
韓流解説、韓流イベント司会の第一人者。公式サイト「田代親世の韓国エンタメナビゲート」やYoutube「ちかちゃんねる☆韓流本舗」「韓ドラ・マスター親世と尚子の感想語り」などで韓流情報を発信しているほか、会員制のコミュニティ【韓流ライフナビ】を主宰。ツアーやイベントを企画・開催している。


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