知られざる流行の発信源であるコペンハーゲン。心地よさと北欧風シックが絶妙にブレンドされた、注目の独立系ブランドを紹介

BY OSMAN AHMED, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

Rains(レインズ)

画像: (写真右下)フィリップ・ロトコ。ビジネスパートナーのダニエル・ブリクス・ヘッセラゲールとともに 2012年にレインズを立ち上げた (写真左・中央)レインズは全天候型アイテムに特化したブランドで、デザインはすべてユニセックス。写真は、最近発表されたレディ・トゥ・ウェア・コレクション。イタリアの岩塩坑で撮影した

(写真右下)フィリップ・ロトコ。ビジネスパートナーのダニエル・ブリクス・ヘッセラゲールとともに
2012年にレインズを立ち上げた
(写真左・中央)レインズは全天候型アイテムに特化したブランドで、デザインはすべてユニセックス。写真は、最近発表されたレディ・トゥ・ウェア・コレクション。イタリアの岩塩坑で撮影した

 コペンハーゲンでは、平均して年に120日は雨が降る。ゆえに大半の住民は、何らかの防水アウターを持つ必要に迫られる。おそらくはこれが、「レインズ」の成功の理由だろう。2012年、デザイナーのフィリップ・ロトコとダニエル・ブリクス・ヘッセラゲールの思いつきからこのブランドはスタートした。ふたりはデザインとビジネスの大学、TEKOに在学中に知り合った。最初のうち、このブランドは学業のかたわら行うサイド・プロジェクトだった。しかし今日では、レインズはデンマークで最大の、ヨーロッパでは5位に位置するレインウェア・メーカーである。

「すべては、シンプルなジャケットから始まった」と言うのはフィリップ・ロトコ。彼は、コペンハーゲンで最も有名なストリート・スタイル・スターのひとり、ペニーレ・タイスベックと結婚している。「実用的かつファッショナブルなジャケットを作って、レインウェアの新しいコンセプトを提案しようと思ったんだ」。そうして生まれたのが、ポリウレタンでできた軽量アウターのシリーズ。ボンバージャケットやロングコート、フードつきパーカに至るまで、すべてユニセックスだ。
しばらくのあいだはそうしたブランドの手法を完成させていったが、最近発表されたレディ・トゥ・ウェア(ゆったりした雨天対応のトラックパンツがその典型だ)や小物類(おもにバッグやハットで、ミニマルなディテールをもち、機能的特色に重きがおかれているもの)には、このブランドの実利主義的な考え方がはっきりと見てとれる。この新しい広告(写真)はイタリアの岩塩坑で撮影したもので、ブランドの今後の展開を予感させるものとなっている。

 販売網を広げつつあるレインズは、現在、コペンハーゲン、アムステルダム、NY、パリ、デンマーク第二の都市オーフス、ベルギーのアントワープに店を構えている。そして間もなく、それらの店に新展開のカスタマイズコーナーを開設する予定だ。そこでは、ブランドを代表するアイテムに、客がレタリングされた文字やグラフィックパーツ、新しいボタンや締め具を付け加えられるようになるという。また、オープニングセレモニーやステューシーといった、よりファッションの中心に近いブランドとのコラボレーションは、ファッション志向のより強い消費者にアピールするものになっている。「目標は、ファッションの世界でもっといろいろなことをやること」とフィリップは言う。

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