知られざる流行の発信源であるコペンハーゲン。心地よさと北欧風シックが絶妙にブレンドされた、注目の独立系ブランドを紹介

BY OSMAN AHMED, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

Saks Potts(サックス ポッツ)

画像: (写真右下)キャスリーン・サックス(左)とバルバラ・ポッツ。ふたりは高校を出てすぐにサックス ポッツをスタートさせた。 (写真左)サックス ポッツ2018-’19年秋冬コレクションのインスピレーション源は、80年代のプリンセス・オブ・ウェールズ、ダイアナ妃のスタイル。 (写真中央)レモンイエローのコート「イヴォンヌ」。モデルはスカイ・フェレイラ PHOTOGRAPHS BY CASPER SEJERSEN

(写真右下)キャスリーン・サックス(左)とバルバラ・ポッツ。ふたりは高校を出てすぐにサックス ポッツをスタートさせた。
(写真左)サックス ポッツ2018-’19年秋冬コレクションのインスピレーション源は、80年代のプリンセス・オブ・ウェールズ、ダイアナ妃のスタイル。
(写真中央)レモンイエローのコート「イヴォンヌ」。モデルはスカイ・フェレイラ
PHOTOGRAPHS BY CASPER SEJERSEN

 デンマーク流ヒュッゲ・スタイルやミニマリズムからはあえて距離を置く「サックス ポッツ」。遊び心がありつつ伝統的なものを求める女性のための、カラフルなファーアイテムやプリントドレスをつくっている。ファーやシアリング素材のコートで知られるこのブランドを立ち上げたのは、キャスリーン・サックスとバルバラ・ポッツのデュオ。ちなみに、ファーはデンマークで第三位の輸出品だ。彼女たちの服は現在、世界で50以上のショップに置かれており、その中のひとつであるネッタポルテで最近発表したカプセルコレクションは、またたく間に売り切れとなった。

「私たちと同世代の女の子が手にとりやすい価格で、サステナブルなファーコートを作りたいと思ったの」とキャスリーン・サックス。高級素材を扱う業者と取り引きしている彼女たちだが、ときにはクリエイティブなやり方で、もっと安価な素材を使うこともあるという。彼女たちの成功の秘訣の一端は、若さゆえの怖いもの知らずにある。最初にブランドを立ち上げたとき、ふたりはパリにあるセレブリティ御用達のホテル、オテル・コストに出入りして、自分たちの服を着てもらいたいと思う有名人に服をあげていたのだという。それから間もなく、彼女たちのコートはパリのセレクトショップ、コレットで取り扱われるようになり、その後はご存じのとおりだ(デザイナーはふたりともまだ20代前半。ブランドを立ち上げたときはなんと高校在学中だった)。

 今シーズン、サックス ポッツのふたりがインスピレーション源を求めたのは、ダイアナ妃と80年代スタイル。キッチュなアニマル柄やフラワープリントをシックに作り直し、ファーのパッチワーク、シルクやジャージ素材のプリントに用いた(スタイリングの手がかりとなるのは、彼女たちがよく参照する2000年代初期の退廃的なスタイルだ。例えば薄く色づいたサングラスやモノトーン・ルックなど)。スカイ・フェレイラを起用して広告を撮影した今シーズン、サックス ポッツはNYファッションウィークに参戦した(その後、コペンハーゲンでプレゼンテーションを開催)。そして、もっと買いやすいカテゴリー、スイムウェアやトートバッグ、傘などにも手を広げている。「NYでショーを開催することは理にかなっている。アメリカのマーケットこそが私たちを大きくしてくれたのだから」とバルバラ・ポッツは言う。

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