「おいしいものは身体にいいのよ」。有元葉子さんはしばしばこの言葉を口にする。「野菜が身体にいいのはもちろんです。ただ、運動したら、肉や揚げものをたっぷり食べたいし、疲れたときには甘いものが欲しくなります」と有元さん。「見知らぬ土地で、スマホ頼みではなく、太陽の位置や見える景色を頼りに歩くと認知機能が高まると聞きました。食べることについても同様に、自分の身体の声を頼りにしてはいかがでしょう」有元葉子さん直伝の、真っ当においしく、身体にやさしい、理にかなった調理法と食べ方をお届けします。第3回は、野菜たっぷりのシンンプル春巻きをご紹介

RECIPE BY YOKO ARIMOTO, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA, TEXT BY MIKA KITAMURA

画像: ミニサイズの春巻きの皮を使って、小さめに作るのがおすすめ。普通サイズの皮なら、半分に切って使う

ミニサイズの春巻きの皮を使って、小さめに作るのがおすすめ。普通サイズの皮なら、半分に切って使う

「常温から徐々に油の温度を上げて、カリッサクッの食感に」

 有元葉子さんに習う‟揚げ物“。第1回はフライドポテトを、第2回はミラノ風カツレツを習った。第3回は、常温の油に入れて揚げていくカリカリ、サクサクの春巻き。少なめの油でじっくり揚げていく方法をご紹介する。
「ゆっくり揚げれば、時間をかけた分、水分が抜けていくので、カリッとした仕上がりになります。低めの温度で揚げますから焦げませんし、具材を春巻きの皮で包んであるので、油もはねません。油が多すぎると、春巻きが油の中でぐるぐる回ってしまいます。そのため、油をひたひたよりも少なめにします」。

 鍋に敷き詰めるように春巻きを入れても大丈夫。しばらくは触らず、泡が小さくなってしゅわしゅわという音になったら、裏返して同様に揚げる。全体においしそうな揚げ色になったら出来上がり。何回かに分けて揚げる場合は、一旦火を消して、温度を下げてから同様に揚げる。

 チキンや肉だんごなどを揚げるときも同じようにすれば、表面がカリカリに。熱々がおいしいので、すぐ召し上がれ!

<材料(作りやすい分量)>
春巻きの皮(ミニ) 1袋(10枚)
小麦粉 適量
玉ねぎ(小) 1個
桜えび 40g
太白ごま油

<作り方>

画像: 1 玉ねぎは皮をむき、半分に切り、薄切りにする。小麦粉と水を同量ずつ合わせ、糊を作る。バットに玉ねぎ、桜えびをそれぞれ用意し、春巻きの皮を1枚ずつはがしておく

1 玉ねぎは皮をむき、半分に切り、薄切りにする。小麦粉と水を同量ずつ合わせ、糊を作る。バットに玉ねぎ、桜えびをそれぞれ用意し、春巻きの皮を1枚ずつはがしておく

画像: 2 まな板の上に春巻きの皮を写真のように置き、真ん中より手前に玉ねぎと桜えびを乗せる。奥の角に糊を置く

2 まな板の上に春巻きの皮を写真のように置き、真ん中より手前に玉ねぎと桜えびを乗せる。奥の角に糊を置く

画像: 3 手前から皮をかぶせ、空気を抜くようにきつく巻いていく。途中で左右の皮を内側に折りたたんでから巻き、最後にのりでしっかり留める

3 手前から皮をかぶせ、空気を抜くようにきつく巻いていく。途中で左右の皮を内側に折りたたんでから巻き、最後にのりでしっかり留める

画像: 4 春巻きを鍋に詰めて入れ、春巻きの背中が覗くくらいの量の油を鍋に入れ、中火にかける

4 春巻きを鍋に詰めて入れ、春巻きの背中が覗くくらいの量の油を鍋に入れ、中火にかける

画像: 5 ゆっくり揚げ、両面がきつね色になったら油から引き上げる

5 ゆっくり揚げ、両面がきつね色になったら油から引き上げる

画像: 6 網の上にのせて油を切り、熱々のうちに塩を振り、器に盛る

6 網の上にのせて油を切り、熱々のうちに塩を振り、器に盛る

画像: 有元葉子(ありもとようこ) 料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。 公式サイトはこちら

有元葉子(ありもとようこ)
料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。
公式サイトはこちら

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