「おいしいものは身体にいいのよ」。有元葉子さんはしばしばこの言葉を口にする。「野菜が身体にいいのはもちろんです。ただ、運動したら、肉や揚げものをたっぷり食べたいし、疲れたときには甘いものが欲しくなります」と有元さん。「見知らぬ土地で、スマホ頼みではなく、太陽の位置や見える景色を頼りに歩くと認知機能が高まると聞きました。食べることについても同様に、自分の身体の声を頼りにしてはいかがでしょう」。有元葉子さん直伝の、真っ当においしく体にやさしい、理にかなった調理法と食べ方をお届けします。第10回は基本のサラダとパスタを一緒に楽しむひと皿をマスター!
RECIPE BY YOKO ARIMOTO, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA, TEXT BY MIKA KITAMURA
パスタと楽しむ、ほろ苦野菜サラダ
「サラダをパスタに添えてひと皿で食べるのが好きです」。Vol.9でご紹介した、おいしいサラダの作り方をマスターしたら、この食べ方をぜひ、楽しんでみてほしい。「アリオ・オーリオ・ペペロンチーネのようなシンプルなパスタだけのときでも、野菜も少しは食べたいですね。パスタとサラダをひと皿にしてみたら、別々のお皿に盛っていただくのとは違い、サラダのシャキシャキした爽やかな口当たりとパスタとの一体感が楽しくて、飽きずに食べ進められます」。
添える野菜は、ほろ苦系が合う。今回はサラダからし菜とマスタードリーフの2種類を使ったが、トレヴィス、水菜、サニーレタス、クレソン、エンダイブ、ルッコラ、わさび菜などを2〜3種類合わせても。
ほろ苦野菜に合うよう、ビネガーにひと工夫をするのがポイント。白ワインビネガーと千鳥酢を同量で合わせ、メープルシロップを少々。白ワインビネガーのキリリとした酸味に、千鳥酢のマイルドさが加わり、野菜の苦味が穏やかに感じられる。「メープルシロップは甘みのためではなく、ミックスしたビネガーを優しい味わいにするために加えています」。このミックスビネガーは合わせたあとで保存もできる。
サラダもパスタも作り方がシンプルで簡単。だからこそ、この料理でいちばん気をつけたいのは“段取り”だ。作り方を時系列でご紹介するので、最初はこの通りに作ってみて。「シャキシャキのサラダとゆでたてのパスタの美味しさをのせたひと皿を、楽しんでくださいね」。
<材料 2人分>
⚫︎ほろ苦野菜サラダ
ほろ苦野菜(サラダからし菜、マスタードリーフ) 両手のひら2杯分
オリーブオイル 適量
ミックスしたビネガー* 適量
塩、胡椒 各適量
*白ワインビネガーと千鳥酢1:1の割合に、メープルシロップ少量を合わせる。
⚫︎パスタ・アリオ・オーリオ・ペペロンチーネ
スパゲッティ 160〜200g
にんにく(みじん切り) 1〜2片分
アンチョビ 4〜5本
赤唐辛子 1本
オリーブオイル 大さじ2〜3
<作り方>
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