RECIPE BY YOKO ARIMOTO, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA, TEXT BY MIKA KITAMURA

おいしい帆立缶でぜひ。汁ごと使うのがコツ
焼売、作ったことありますか?「大変そう」という声をよく聞くが、意外に簡単だ。「あんを作る作業は全てフードプロセッサーで。あっという間に出来上がります」と有元さん。今回は、蒸籠に敷くオーブンペーパーの切り方から、あん作り、あんを皮で包む際の簡単な方法まで、焼売作りのコツをイチから教わる。
豚ひき肉と玉ねぎをベースにしたあんには、帆立の水煮缶を加えて旨みをアップ。おいしく仕上げるポイントはフードプロセッサーで撹拌し過ぎないこと。素材それぞれの存在感がしっかり残るようにしたいので、具材が全体的に混ざればOK。そのためには「パルス(手動で断続的に撹拌すること)」で作業を行う。
「玉ねぎの甘みが味の決め手です。帆立の水煮の汁も適宜入れましょう。旨みの格上げになりますし、ふわっとした口当たりになります。戻した春雨やキクラゲを加えてもよいでしょう。」と有元さん。「粉カラシを水で溶いてお醤油といただきます」。手作りの蒸し立ては格別。蒸し時間は5〜6分と短いので、真夏でもさっと作れて重宝するレシピ。キンキンに冷えたビールとどうぞ。

<材料(60個分)>
焼売の皮 60枚
豚挽き肉 200g
玉ねぎ 1個
帆立の水煮缶 2缶(95g)
生姜 1片
片栗粉 大さじ2〜3
塩 少々
<下準備>

まず、蒸篭の用意をする。蒸籠の直径に合わせてクッキングシートをカットする。半分に折り、さらに半分に折る作業を2〜3回繰り返し、写真のように三角形に折る。蒸籠の半径の長さになるよう三角形の底辺を切り取る。長辺を2カ所ずつ小さく切り取る。

クッキングシートを広げて蒸籠に敷く。
<作り方>

1 あんを作る。玉ねぎと生姜は皮をむき、ざく切りにし、フードプロセッサーで撹拌して粗みじんにする。

2 1に帆立を加え、パルス(手でスイッチを押してははずす動作)で、中の状態を見ながら撹拌する。粗みじんになったら、豚ひき肉と片栗粉、塩を加え、パルスする。途中、蓋をとり、側面についたものをヘラなどで落としつつ、帆立缶の汁も加え、パルスする。※缶の汁を全部入れると柔らかくなりすぎて包みにくくなるので、1缶分を加えたら、残りは様子を見ながら加えるとよい。

3 パルスし、全体がざっと混ざったくらいで止める。混ぜすぎないように注意。触ってみて、ふわっとした感触になったらOK。

4 皮であんを包む。小さなヘラもしくはスパチュラを使い、皮に肉あんをのせる。肉あんの真ん中にヘラを刺す。

5 上下をひっくり返し、皮を持った手の親指と人差し指で形を整える。

6 5の完成系はこちら。この状態でヘラをそっと抜く。

7 焼売の底をへらでトントンと叩いて平らにする。

8 あらかじめ鍋に湯をわかし、焼売を並べた蒸篭を乗せて、強火で5、6分蒸す。

有元葉子(ありもとようこ)
料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。
公式サイトはこちら
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