アンディ・ウォーホル
未発表のポートレイト写真

Andy Warhol’s Never-Before-Seen Photo Portraits
今年5月、ロサンゼルスで、アンディ・ウォーホルが自ら撮影した多くの友人たちのポートレイトが初公開された。アートの限界を感じ、写真に魅せられていった晩年のウォーホルの貴重な作品だ

BY ALICE NEWELL-HANSON, PHOTOGRAPHS BY ANDY WARHOL, TRANSLATED BY AKANE MOCHIZUKI(RENDEZVOUS)

 つい先日、ニューヨークを拠点にする作家であり編集者のパット・ハケットが、グラマシー・パークのアパートにあったありふれた3つ穴のバインダーを開いたところ、その中に、アンディ・ウォーホルによって撮影された未発表の写真を83枚見つけた。ブルック・シールズやモハメド・アリ、ファラ・フォーセット、ジャン=ミシェル・バスキア、ウォーホルのペットである2匹のダックスフント、アーチーとエイモスと一緒に座るルー・リード……。それ以外にも、さまざまな被写体がそこにとらえられていた。これらの写真は、亡くなる少し前の1987年にウォーホル自身がハケットに贈ったもので、それ以来ずっと彼女の家に保管されていたのだ。

 ハケットはウォーホルとのコラボレーターの常連であり、親友のひとりでもあった。ウォーホルが創刊した雑誌『Interview』にも寄稿しており、ウォーホルの最後の映画である『BAD』(1977年)の脚本も共同執筆。また、ウォーホルの死後、1989年には『Diaries』(『ウォーホル日記』)を編集・出版し、1988年にはウォーホルの遊び心のある“おもてなし”マニュアル『The Party Book』も編集した。彼女は、ウォーホルが撮った友人たちのさりげないポートレートや、いきいきとしたニューヨークのナイトライフのスナップが出版するのにふさわしいか検討するために、自分が選んだ写真を家に持ち帰っていた。「数日後、もう少ししたら写真を返すからと伝えると、ウォーホルは『いや、返さなくていいよ』と言ったのよ。私がこの写真をとても気に入ったことに気づいていたのね」と、ハケットは当時を振り返った。

 これまで発表されず、展示されたこともなかったこれらの写真は、ロサンゼルスのギャラリー「ヘッジズ・プロジェクツ」で2018年5月に初公開された。特別なゼラチン・シルバー・プリント(銀塩印画紙にプリントされた写真)で、白黒の被写体がはっきりと写し出されている。「不思議なことにアンディは“色彩の魔術師”として有名だけれど、黒と白のみで表現された力強くてプリミティブな作品もけっこうあったのよ」とハケット。

 ウォーホルは、亡くなる前の数年間、写真を撮ることにますますのめり込んでいった。「彼がいかに写真撮影に心惹かれていたかは、だれの目にも明らかだったわ」とはケットは言う。「アートを通して現実をよりよくすることはできない、というのがウォーホルの世の中やアートに対する見方だった。だからこそ、アーティストとして進化するための次の大きなステップとして、彼は写真という表現を選んだの」

画像1: COLLECTION ANTHONY D’OFFAY, LONDON

COLLECTION ANTHONY D’OFFAY, LONDON
 

2018年5月、アンディ・ウォーホルによって撮影された未発表のモノクロ写真83枚が、ロサンジェルスで初めて公開された。作家で編集者でもありウォーホルのコラボレーターのひとりであったパット・ハケットによって再発見されたそれらの写真は、ウォーホルの多くの著名な友人知人をとらえたユニークなポートレートである。その中には、ジャン=ミシェル・バスキア、モハメド・アリやキース・ヘリングの写真も含まれている。こちらは、ミュージシャンで女優のグレース・ジョーンズ。

画像1: アンディ・ウォーホル
未発表のポートレイト写真

雑誌編集者のダイアナ・ヴリーランド。ヴリーランドは、ウォーホルのマネージャーであるフレッド・ヒューズを介してウォーホルのファクトリーに影響を与えたとハケットは言う。ヒューズはヴリーランドを大いに尊敬しており、「あるときは、ヴリーランドの一番好きな色に敬意を表して、自身のオフィスを“ヴリーランド・レッド” に塗ったこともあった」とハケットは回想する。

画像2: アンディ・ウォーホル
未発表のポートレイト写真

女優のジョーン・コリンズ。「アンディは、年を重ねながらルックスを維持する方法について、自分自身のためになるヒントを求めてジョーンを入念に研究していたの」とハケット。

画像1: PHOTOGRAPHS: COURTESY OF HEDGES PROJECTS, LOS ANGELS.

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF HEDGES PROJECTS, LOS ANGELS.
 

ロサンジェルス・レイカーズでセンターを務めた、バスケット選手のカリーム・アブドゥル・ジャバー。“アスリート”というシリーズ作品を制作するために、ウォーホルは10人の現代スポーツ界のスターをひとりずつ撮影した。

 

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