最先端技術を駆使し、テクノロジーと音楽の融合という前衛的な表現活動で、メディア・アートの分野を牽引して続けてきた音楽家、坂本龍一。その軌跡を辿る展覧会『坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア』が2023年12月16日(土)より NTT インターコミュニケーション・センター[ICC]で開催される。類稀なる坂本の創造性をこれからの未来へと繋いでいく

BY EMI ARITA

 1990年代初頭の黎明期よりインターネットに関心を持ち、インターネット・ライブを実施するなど、作品へのメディア・テクノロジーの導入を積極的に行い、最先端技術を駆使した前衛的な音楽表現で魅了してきた世界的な音楽家、坂本龍一。2023年3月に逝去した坂本が遺した作品の数々は、メディア・アートの分野に多大なる影響を及ぼし、今なお、多くのアーティストにインスピレーションを与えて続けている。

画像: Photo by Neo Sora ©2022 Kab Inc.

Photo by Neo Sora ©2022 Kab Inc.

 12月16日(土)より NTT インターコミュニケーション・センター[ICC]でスタートする「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」は、そんな坂本の軌跡を辿る展覧会。坂本と親交の深かったライゾマティクスの真鍋大度を共同キュレーターに迎え、坂本が残した演奏データをもとにした作品のほか、Strangeloop Studios、高谷史郎、ダムタイプ、カールステン・ニコライ、404.zero、カイル・マクドナルド、毛利悠子、ライゾマティクス、李禹煥など、国内外のアーティストによる坂本と関連する作品を展示。さらに、これまでのICCでの展示記録などもあわせて紹介される。

画像: 坂本自身の未発表音源「Tokyo 2021」を聴くことができるダムタイプによるアナログ・レコードを使ったサウンド・インスタレーション作品《Playback》 Dumb Type + Ryuichi Sakamoto《Playback 2022》2022/23年

坂本自身の未発表音源「Tokyo 2021」を聴くことができるダムタイプによるアナログ・レコードを使ったサウンド・インスタレーション作品《Playback》
Dumb Type + Ryuichi Sakamoto《Playback 2022》2022/23年

 また、インスタレーションやアート作品の展示に加えて、坂本が出演したやコンサートなどの記録映像も上映。その演奏やパフォーマンスを改めて鑑賞することができるほか、新たに開発されたAI技術と坂本のパフォーマンスを融合した映像作品「真鍋大度+ライゾマティクス+カイル・マクドナルド《Generative MV(仮題)》」も登場する。

画像: 出演:坂本龍一「IS YOUR TIME コンサート」 撮影:山口真由子

出演:坂本龍一「IS YOUR TIME コンサート」 撮影:山口真由子

 真鍋大度+ライゾマティクス+カイル・マクドナルドによる《Generative MV(仮題)》は、2020年ライゾマティクス演出で開催されたオンライン・ピアノコンサート「Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 12122020」のアーカイブ映像の背景に、鑑賞者が入力したテキストをもとにした画像をAIが生成し合成するというもの。新感覚の鑑賞体験を楽しめるととももに、AIなどを活用した新時代のメディア・アート制作にも、積極的に挑もうとしていた坂本の“未来像”も体感できるはずだ。

 会期中はキュレーターや参加したアーティストによるトークやシンポジウム、コンサートなどの様々なイベントも開催予定。坂本龍一の作品と功績を振り返りながら、その意志を受け継ぎ、未来へと繋いでいく「坂本龍一トリービュート展 音楽/アート/メディア」、ぜひ足を運んでみてほしい。

『坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア』
会期:2023年12月16日(土)〜2024年3月10日(日)
会場:NTT インターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
時間:11:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日、年末年始(12/28〜1/4)、ビル保守点検日(2/11)
    ※月曜日が祝日もしくは振替休日の場合、翌日休館
公式サイトはこちら

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