BY EMI ARITA

No.5「超能力」
COURTESY OF NAKAGAWA JUNAI X THE PRANKS
比類なきアートセンスを持つ“物撮り”の巨匠、中川十内。長年に渡り、出版・広告業界でキャリアを築き上げてきた中川が新境地を見せたのが、2021年の写真展『111の白昼夢』。“都会を彷徨い、好奇心のままにシャッター切る”という自身のライフワークから生まれた111点のTOKYOの写真を、謎のアートユニット、ザ・プランクスの絵画と“合体”させることで、写真と絵=日常と空想が織り重なった、ファンタジックな作品へと昇華させた。
そこから3年余り経ち、再び中川がザ・プランクスとのコラボレーションにより作り上げたのが、2月7日(金)に発売されるアートブック『なぞなぞなぞ シュールな空想画集』だ。出版を記念して1月23日(木)より開催される『なぞなぞなぞ』展では、アートブックに収められた全60点の作品が、貴重なオリジナルプリントエディションで公開される。

No11「フル回転」
COURTESY OF NAKAGAWA JUNAI X THE PRANKS
今回の作品は、ザ・プランクスが描いた、優しくも不思議な“なぞなぞ”のような絵画に、中川が多彩な写真テクニックを駆使して、絵と写真のコラボレーションを再創造。さらに、それぞれの作品には、作家・マーガレットボーイによる“物語”が添えられており、見るものの想像力を掻き立てる。

No.31「ガリバーのように」
COURTESY OF NAKAGAWA JUNAI X THE PRANKS
中川が「ザ・プランクスの絵から想像した物語に誘われるように、しかし、無意識のうちに、遊ぶにように、写真的手法を施し、制作を進めた」と語る作品は、一度見たら忘れられないほどの吸引力を持つ。写真家と画家と作家、という異分野の精鋭たちが互いの魂をぶつけ合うことで生まれた、“シュールな空想画”という名の“衝撃波”によって、忘れかけていたイマジネーションの扉を開いてくれることだろう。
また、会場では、中川十内によるリメイクアート3作品と、ザ・プランクスの未発表リトグラフ三部作も展示される。見るほどに離れらなくなる “なぞなぞ”の世界、鑑賞者の新たな物語もふつふつと湧き上がる中川十内の新境地、ぜひ会場で体感を。
絵と写真が織りなす新感覚のシュールレアリスム
「なぞなぞなぞ展 〜シュールな空想画集出版記念〜」
会期:2025年1月23日(木)〜2月8日(土)
会場:emmy art +
住所:東京都中央区銀座 6-3-2 ギャラリーセンタービル2F
時間:12:00〜19:00(土曜〜18:00)、日曜・月曜休廊
TEL. 03-6264-5530
公式サイトはこちら
*オープニングレセプション:1月23日(木)17:00〜19:00
*アーティストとおしゃべり:2月1日(土)16:00〜17:00
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