三菱一号館美術館の再開館後初の展覧会「再開館記念『不在』─トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」。鑑賞者にとって刺激的な体験となりそうだ

BY NAOKO ANDO

画像: アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《メイ・ミルトン》、1895年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵 COURTESY OF MITSUBISHI ICHIGOKAN MUSEUM

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《メイ・ミルトン》、1895年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵

COURTESY OF MITSUBISHI ICHIGOKAN MUSEUM

 ジョサイア・コンドルが設計し、1894年に建設された「三菱一号館」を復元した「三菱一号館美術館」。周りの近代建築が次々と超高層ビルに変わりゆく東京・丸の内の象徴的存在だ。2023年4月から設備メンテナンスのため休館し、2024年11月23日に再開館した。最初の展覧会は「再開館記念『不在』─トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」。三菱一号館が建てられた頃に活躍したロートレックの作品と、2024年「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞したばかりの、現代フランスを代表するアーティストであるソフィ・カルが協働する試みだ。「喪失」や「不在」をテーマとして表現活動を続けるカルと、「人間だけが存在する。風景は添え物に過ぎないし、それ以上のものではない」という言葉を遺したロートレック。ロートレック本人も彼が描いた人々も「不在」となり、作品のみが「存在」する現在において、カルが問いかける「不在」とは? 鑑賞者にとって刺激的な展覧会となりそうだ。

画像: ソフィ・カル氏ポートレート PHOTOGRAPH BY YVES GÉANT

ソフィ・カル氏ポートレート

PHOTOGRAPH BY YVES GÉANT

画像: 三菱一号館美術館外観 COURTESY OF MITSUBISHI ICHIGOKAN MUSEUM

三菱一号館美術館外観

COURTESY OF MITSUBISHI ICHIGOKAN MUSEUM

「再開館記念『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」
〜2025年1月26日(日)
三菱一号館美術館
東京都千代田区丸の内2の6の2
TEL.050-5541-8600(ハローダイヤル)

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