BY KAORU SAITO, PHOTOGRAPHS BY TOSHIMASA OHARA
史上初、“シワ改善効果”を謳うことが許されたポーラの「リンクルショット メディカル セラム」で衝撃的な幕開けとなった2017年。続いてやはり資生堂のシワ改善クリームも大ヒットした。化粧品メーカーの開発力がいよいよ問われる時代、齋藤さんが注目するのは次々と画期的新製品を打ち出す「イプサ」。そして、「アンティーム フェミニン ウォッシュ」「トレスマリア ミルク」など、デリケートゾーンケアのアイテムが新しい習慣として人気を獲得した。
齋藤 薫セレクトによるベスト・ビューティニュースとベストコスメ、続く第2弾は……。
4. 効果がドラマティックなまでに
目に見える“ビジュアル化”
化粧水は地味なもの─なぜかそんな決めつけがあるから、“化粧水の派手”はそれだけで新鮮。いや、目を引く特徴がそっくり“効果の証し”だったらどうだろう。かたや油性のカプセル、かたやバラの花びらと、効き目の正体を誇らしげに展示する化粧水が、いま何とも魅力的に映る。かつて“見せる化粧品”は文字どおりの見せかけが多かったが、事情ははっきり変わった。技術的に高度だからこそ形状で見せられる、そういう実のあるビジュアルスキンケアが最先端に躍り出た。使うたびにワクワクするその高揚感が、プラセボ効果にもなる、ズバリ“魅せる力”を買う時代。効き目は目で見る時代なのだ。
5. 今なお新形状が生まれ続ける
ファンデーション市場が面白い
きっかけはミネラルファンデ、拍車をかけたのがクッションファンデ。従来はリキッド、クリーム、パウダーの3タイプが揺るぎない定番として市場をまとめてきたが、それら新形状がファンデーションの分布図をすっかり変え、ある種のカオス状態に導いてしまった。でもそれが逆に功を奏し、オイルタイプや生チョコ、スティックタイプ、まったく新しいカバーからリラックスファンデーションまで、本当に多くの新形状が現れ、それらが切磋琢磨する形で市場全体を進化させ続けている。けれどもすべての終着駅は、「つけていないようでいて異様にキレイ」。それに尽きるのだ。だからこの先が、もっと楽しみ。