BY KAORU SAITO, PHOTOGRAPHS BY TOSHIMASA OHARA
6. 化粧品の未来の扉を開け放す
“世の中を良くするコスメ”誕生!
広告コピーは、「あなたは、だれかの勇気だ」。化粧品のメッセージとは思えないその呼びかけは、まさしく従来の化粧品にはなかった価値観を提供してくれる。それは、美しさが独りよがりなものであってはいけない、まわりの誰かを幸せにし、元気づける、世のため人のための美しさをそろそろ宿してもよいのではないかという提案。しかも提唱したのはポーラだから、イメージだけの上滑りはしていない。人を心地よくする美しさとは何かを研究し、“丸い膨らみのある上向きの頰”こそ大きな決め手であるのを突き止め、それを独自の理論に落とし込んでコスメ界初の“対人関係を良くするスキンケア”を確立したのだ。起き上がりこぼしにやじろべえをオブジェに仕立てた衝撃のボトルも、まさに革命。化粧品の未来の扉が一気に開く!
7. これもインスタ映え?
美肌アプリのような修正パレット続々
コンシーラーにハイライター、くすみカバーのコレクター……。ともかく今、ベースメイクのオプションアイテムが花盛り。ファンデーションの進化はこうしたアイテムを不要にしたはずなのに、逆に増えていくのは、より完璧を求め、インスタ映えする華やかなメリハリを求めるがゆえのトレンドだろうか。欠点を一掃しつつ、光と影を駆使してコントアリング的に顔の骨格まで美しく整えていく。加えて、リップも兼ねるチークまでをベースメイクと考え、顔を丸ごとひとつつくれるという発想。オプションとはいえ加えるほどに完成度が増し、必要なものがすべて収まったパレットは、一人ひとつは持っているべき。