BY CHIHARU ITAGAKI
名作家具がレトロな柄をまとって、ファッショナブルに変身した。イタリアの老舗デザイン家具ブランド「Kartell(カルテル)」がコラボレーション相手に選んだのは、ミラノ在住のファッションジャーナリスト、J.J.マーティンだ。「La Double J(ラ・ダブル・ジェイ)」は、愛してやまないヴィンテージウェアからインスパイアされた作品を発表する、彼女のオリジナルレーベル。その9種類のプリントパターンを、カルテルの膨大なアーカイブの中からJ.J.が自ら選出した、アイコニックなチェアやテーブルなど5つのアイテムに施した。「こだわったのは、発色の美しさ。家具の素材の表面に鮮やかにプリントできるよう、試行錯誤を重ねました」とJ.J.は語る。
こうしてでき上がった家具には、チャーミングで思わず微笑んでしまうような新たな魅力が備わった。「柄は、見る人を幸せな気持ちにさせる存在だと思う。同じアイテムでも、柄によってまったく違う個性をもつのが面白いですね」。たとえば五十年来のベストセラーであるキャビネット「コンポニビリ」は、鶏をかたどった柄をまとってユーモラスなムードに大変身。草花を模した柄のチェアやソファは、ぐっとモダンでフェミニンな表情に。「赤と青の幾何学模様のチェアはまるで建築家のよう。私はオフィスでこれを使っています。緑のチェアはテラスに置きたいですね」
今回の来日では温泉旅館にも滞在し、日本建築に感銘を受けたというJ.J.。「和室でこのコレクションを楽しむなら、部屋の中央にソファをひとつだけ置いて、ミニマルなインテリアの美しさを生かしたい」と話す。時代を超えた魅力をもつヴィンテージ柄は、日本文化にもフィットすること間違いなしだ。
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