美しい造形美に、快適な座り心地......。たった一脚でも、住まいを洗練の空間へと昇華させてくれる「名作」と呼ばれる美しき椅子。今回は、読書チェアにもぴったりなラウンジチェアを、アルネ・ヤコブセンやアルヴァ・アアルト、丹下健三などが手がけた名作より厳選紹介

BY EMI ARITA

アルネ・ヤコブセンの「ポットチェア」

画像: 「ポットチェア」¥448,800/フリッツ・ハンセン COURTESY OF FRITZ HANSEN

「ポットチェア」¥448,800/フリッツ・ハンセン

COURTESY OF FRITZ HANSEN

 北欧のモダンデザインを牽引し、数々の名作を生み出したデンマークを代表する建築家、デザイナーのアルネ・ヤコブセン。こちらの「ポットチェア」は、アルネ・ヤコブセンが1959年にコペンハーゲンのSASロイヤルホテル(現 ラディソン・コレクション・ロイヤル・ホテル)のためにデザインしたもの。2018年、当時のデザインはそのままに、モダンな素材にアップデートして復刻された。
 曲線的なフォルムのシートは、すっぽりと体を包み込み、長時間座っていても快適。そのシートを支えるスチール脚は、今にも動き出しそうな有機的なカーブを描き、アクセントを添える。ミニマルなサイズ感で、リビング、書斎、寝室と、あらゆる空間で取り入れやすいのも魅力。スチール脚はラッカー仕上げか、粉体塗装仕上げから選択可能。シートの張り地も豊富なカラーが揃うファブリックまたはレザーから好みのタイプを選べる。

画像: COURTESY OF FRITZ HANSEN

COURTESY OF FRITZ HANSEN

フリッツ・ハンセン 東京
TEL. 03-3400-3107
公式サイトはこちら

アルヴァ・アアルトの「アームチェア 406」

画像: 「アームチェア 406」¥256,300/アルテック COURTESY OF ARTEK

「アームチェア 406」¥256,300/アルテック

COURTESY OF ARTEK

 片側がオープンになったカンチレバー型のフレームが特徴の「アームチェア 406」。20世紀を代表する建築家、デザイナーのアルヴァ・アアルトが1939年にデザインしたもので、上品ですっきりっとしたフォルムと、カンチレバー型特有の浮遊感のある快適さを融合させた作品となっている。
 肘掛けを兼ねたフレームは、時間の経過とともに木材が変化してもバランスが崩れないよう、分厚いひとつのフレームを半分に分割して両端に設置する、という方法で作られているのが特徴。そのフレームにリネンテープを編み込んだ座面は、腰掛けるとほどよく沈み込み、体を預けてゆったりとくつろぐことができる。リネンテープのカラーは、ナチュラル、ホワイト、ブラック、レッドなど全6色からセレクト可能。

画像: COURTESY OF ARTEK

COURTESY OF ARTEK

アルテック
TEL. 0120-610-599
公式サイトはこちら

マルコ・ザヌーゾの「レディ」

画像: 「レディ」¥682,000~/カッシーナ COURTESY OF CASSINA IXC.

「レディ」¥682,000~/カッシーナ

COURTESY OF CASSINA IXC.

 ミッドセンチュリー期に活躍したイタリアの建築家、デザイナーのマルコ・ザヌーゾ。その代表作として知られているのが、1951年、9回目のミラノ・トリエンナーレにて発表され、メダリア・ドーロ(金賞)を受賞した「レディ」。従来のアームチェアの製造方法ではなく、パーツを別々に製造し、それらをアッセンブルするという新しい技術を採用し、椅子デザインに革新をもたらした名作である。
 ザヌーゾは、自動車産業から見出したデザインメソッドを取り入れており、発売当時は、素材も自動車産業から成型ゴムと弾力のあるエラスティックベルトを採用していた。カッシーナが復刻した現在の仕様では、シート、バックレスト、サイドは、それぞれ体のパーツが及ぼす圧力に合わせて、ポリウレタンフォームのパッディングの硬さを調整し、いつまでも腰掛けていたくなる快適な座り心地も実現している。張り地の素材とカラーは豊富なバリエーションからセレクト可能。

画像: COURTESY OF CASSINA IXC.

COURTESY OF CASSINA IXC.

カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
公式サイトはこちら

丹下健三の「イージーチェア」

「 イージーチェア」¥539,000〜/天童木工

COURTESY OF TENDO MOKKO

 言わずと知れた、日本のモダニズム建築を代表する建築家、丹下健三。国立代々木競技場や東京都庁舎をはじめ、数々の建築作品を手掛けてきたが、家具デザインにおいても、日本における成形合板の真価を知らしめるなど、多大な功績を残してきた。そんな丹下デザインを楽しめる名作のひとつが、アイコニックなアームのシルエットから“ダッコちゃんイス”の愛称でも知られる、こちらの「イージーチェア」。
 1957年に丹下氏が設計した空間の為にデザインされた椅子が原型となっており、一枚の成形合板で作られた、立体的でボリューム感のあるフォルムが特徴。やや硬めで厚みのあるクッションシートが、体をしっかりと支えてくれるため、長時間座っていても疲れにくく、ゆったりとくつろぐことができる。背もたれとシートの張り地は、豊富なカラーからセレクト可能。“世界のタンゲ”が手がけた、ジャパニーズモダンの洗練さとともに、日本の広葉樹の代表格ともいえるケヤキ材の格調高い美しさも愛でたい。

画像: COURTESY OF TENDO MOKKO

COURTESY OF TENDO MOKKO

天童木工 
TEL. 0120-01-3121
公式サイトはこちら

ジョージ・ネルソンの「ネルソンココナッツラウンジチェア」

画像: 「ネルソンココナッツラウンジチェア」¥629,200~/ハーマンミラー COURTESY OF HERMAN MILLER

「ネルソンココナッツラウンジチェア」¥629,200~/ハーマンミラー

COURTESY OF HERMAN MILLER

 1956年にジョージ・ネルソンがデザインしたミッドセンチュリーの名作「ココナッツチェア」。その名の通り、ココナッツを8等分したうちのひとかけらのようなアイコニックなシルエットで、ポップアートのような存在感を放つ。
 大きくカーブした三角形のクッションシートの背もたれ部分は、両サイドより少し長めに設計されており、腰掛けるとすっぽりと体を包み込んでくれる。あぐらをかいたり、体をサイドに傾けたり、と自由な姿勢も取りやすく、自分なりの座り方でリラックスタイムを過ごすことができる。張り地はカラーが選べる無地かチェック柄、スチール脚はクロムメッキまたは粉体塗装された鋼製ベースからセレクトできる。

COURTESY OF HERMAN MILLER

ハーマンミラーストア 丸の内
TEL. 03-3201-1820
公式サイトはこちら

▼あわせて読みたいおすすめ記事

T JAPAN LINE@友だち募集中!
おすすめ情報をお届け

友だち追加
 

LATEST

This article is a sponsored article by
''.