モダンデザインの黄金期、ミッドセンチュリー期に生まれたソファを厳選紹介。アメリカのイームズ夫妻、北欧のハンス J. ウェグナー、フランスのシャルロット・ペリアン、日本の剣持勇など。今も色褪せない名デザイナーのソファで洗練のリビングを叶えて

BY EMI ARITA

チャールズ&レイ・イームズの「イームズ ソファコンパクト」

画像: 「イームズ ソファコンパクト」<W184.3×D80×H89×cm>¥1,151,700〜/ハーマンミラー COURTESY OF HERMAN MILLER

「イームズ ソファコンパクト」<W184.3×D80×H89×cm>¥1,151,700〜/ハーマンミラー

COURTESY OF HERMAN MILLER

 1954年に誕生した「イームズ ソファコンパクト」は、チャールズ&レイ・イームズの自邸「イームズハウス」の作り付けソファを原型にデザインされた、3人掛けソファ。横幅180cm超えと、3人でもゆったりと座れる広々としたシートながら、無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインが魅力。見た目の圧迫感がなく、あらゆるスタイルのインテリアに調和してくれる。
 発泡素材のパッド材が2列に並んだ背もたれは、絶妙な角度がついており、心地よく背中にフィット。ウレタンフォームのシートクッションも、膝を曲げた時の脚の角度に沿うように傾斜があり、全身をあずけて楽な姿勢でくつろげる。シートのファブリックは、無地とチェック柄があり、それぞれ豊富なカラーからセレクト可能。

 

COURTESY OF HERMAN MILLER

ハーマンミラーストア 丸の内
TEL. 03-3201-1820
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ハンス J. ウェグナーの「CH163」

画像: 「CH163」<W195×D80×H76cm>¥1,075,000〜/カール・ハンセン&サン COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

「CH163」<W195×D80×H76cm>¥1,075,000〜/カール・ハンセン&サン

COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

 家具マイスターとしての技術と知識を用いて、北欧らしい木材の温かみと端正なフォルム、そして機能性を融合させ、数々の名作を手がけたハンス J. ウェグナー。1965年にデザインしたソファ「CH163」も、やわらかなフォルムのシートと木製フレームのシャープなラインを組み合わせた静謐な様子に、ウェグナーのデザイン美学が息づいている。
 シートには、厳選したヨーロッパ産の羽毛が用いられているのも特徴。ふんわりと体を包み込むような掛け心地は、ごろんと寝転んでも快適。シートは豊富な種類のファブリックやカラーからセレクト可能。フレームはオーク材かウォールナット材の2種。

画像: COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

カール・ハンセン&サン 東京本店 / 大阪 
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シャルロット・ペリアンの「レフォロ」

画像: 「レフォロ」<ベース W233×D76×H27×cm>(W2330ベース+アームクッション×1+背座クッション×2)¥3,084,400~/カッシーナ COURTESY OF CASSINA IXC.

「レフォロ」<ベース W233×D76×H27×cm>(W2330ベース+アームクッション×1+背座クッション×2)¥3,084,400~/カッシーナ

COURTESY OF CASSINA IXC.

 1930年代に来日し、柳宗理や坂倉準三らと交流するなど、日本とも親交の深かった、フランスのミッドセンチュリーを代表するデザイナー、シャルロット・ペリアン。1953年に自身のためにデザインしたという「レフォロ」は、格子状の木製ベースに、クッションパーツを自由に組み合わせられる、モジュールタイプのソファ。
 クッションパーツは、背・座セット、アーム、シートの3種。片側を空けてサイドテーブル一体型ソファのようにしたり、シートだけを並べてデイベッドのようにしたり。ベースのサイズも3種あるため、空間や用途にあわせて、さまざまな使い方が楽しめる。クッションパーツは豊富なカラーと素材からセレクト可能。ベースはナチュラル塗装仕上げとブラック染色塗装仕上げの2種。

画像: COURTESY OF CASSINA IXC.

COURTESY OF CASSINA IXC.

カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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剣持勇の「Haco(ハコ) ソファ」

画像: 「Haco ソファ(T-7009NA-ST)」<W183×D75×H65×cm>¥506,000〜/天童木工 COURTESY OF TENDO MOKKO

「Haco ソファ(T-7009NA-ST)」<W183×D75×H65×cm>¥506,000〜/天童木工

COURTESY OF TENDO MOKKO

 日本のミッドセンチュリー期に活躍し、ジャパニーズモダンの礎を築いた、デザイナーの剣持勇。天童木工の「Haco(ハコ) ソファ」は、1966年、京都国際会館の内装を担当した剣持が、ロビー家具用としてデザインしたイージーチェアを原型にしたもの。一体成形合板のウッドフレームが、シートを包む“箱”のように見えることから、「Haco(ハコ)」の愛称で親しまれている。
 エッジがなく、全体的に丸みを帯びた個性的なフレームは、ナラの柾目の美しい木肌も印象的。長く使うことで経年変化による風合いが増していく姿も楽しめる。クッションは取り外し可能で、掃除やクリーニングなど、メンテナンスがしやすいのもうれしい。張り地はファブリックやレザーなどの素材と、豊富なカラーからセレクト可能。

画像: COURTESY OF TENDO MOKKO

COURTESY OF TENDO MOKKO

天童木工 
TEL. 0120-01-3121
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カリモク60の「Kチェア」

画像: 「Kチェア2シーター」<W133×D70×H70cm>¥100,760/カリモク60 COURTESY OF KARIMOKU 60

「Kチェア2シーター」<W133×D70×H70cm>¥100,760/カリモク60

COURTESY OF KARIMOKU 60

「Kチェア」は、1962年、カリモクの椅子第1号として誕生した「#1000」を原型に、60年代に誕生したロングライフデザインの椅子。当時、ミシン用のテーブルや輸出家具の木製パーツの製造を行っていた刈谷木材工業(現・カリモク家具)が、初めて自社製品として開発したもので、時代とともに内部構造を改良しながら、今も当時と変わらないデザインで作り続けられている。
 1シーター、2シーター、1シーターワイドの3種あり、いずれも奥行き70cmとコンパクトなサイズが特徴。カラーバリエーションは、ファブリックシートのウォルナット×グリーン、レザーシートのブラック×ブラックなど全12種。また、分解・組み立て式のため、パーツごとの交換ができるのも魅力。経年変化で生まれた風合いはそのままに、傷んだ部分は交換をして……と、長く時を共にしたい。

画像: COURTESY OF KARIMOKU 60

COURTESY OF KARIMOKU 60

カリモク60
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ジョージ・ネルソンの「ネルソン キューブソファ」

画像: 「ネルソン キューブソファ」<W207×D80×H68.6×cm>¥1,009,800〜/ハーマンミラー COURTESY OF HERMAN MILLER

「ネルソン キューブソファ」<W207×D80×H68.6×cm>¥1,009,800〜/ハーマンミラー

COURTESY OF HERMAN MILLER

 チャールズ&レイ・イームズと共に、1950年代のアメリカのミッドセンチュリー期を牽引し、ハーマンミラーの初代ディレクターを務めたジョージ・ネルソン。1968年にデザインした「ネルソン キューブソファ」は、“キューブ”という名の通り、木製フレームの四角い箱のようなデザインが特徴。直線美を感じる美しいフレームと、クッションシートのやわらかさ、相反するデザインを掛け合わせ、見る角度によってさまざまな表情が楽しめる。
 バリエーションは、幅207cm、237cmの2サイズから選べる3シータータイプと、ひとり掛けのアームチェアタイプの全3種。フレームのカラーはエボニー、ウォルナット、ホワイトオークの3種。シートの張り時は豊富な素材とカラーからセレクト可能。

画像2: COURTESY OF HERMAN MILLER

COURTESY OF HERMAN MILLER

ハーマンミラーストア 丸の内
TEL. 03-3201-1820
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ポール・ケアホルムの「PK31™ ソファ」

画像: 「PK31™ ソファ」(3シーター)<W198×D76×H76cm>¥6,487,800〜/フリッツ・ハンセン COURTESY OF FRITZ HANSEN

「PK31™ ソファ」(3シーター)<W198×D76×H76cm>¥6,487,800〜/フリッツ・ハンセン

COURTESY OF FRITZ HANSEN

 妥協なき素材選びと、ミニマリズムの美学を掛け合わせ、最高峰の素材を用いた美しいデザインを追求し続けた、デンマークの巨匠ポール・ケアホルム。1958年にデザインされた「PK31™ ソファ」は、厳選された美しい張り地を纏うエレガントな佇まい、楽な姿勢でくつろげるよう計算し尽くされ快適なシートの形状と、見た目の軽やかさを演出するスチールのベース……と、ケアホルムが目指した椅子の理想系を体現した作品となっている。
 バリエーションはひとり掛けのラウンジチェア、2シーター、3シーターの3種。さらに、背・座・アームは独立したモジュラー構造のため、空間に合わせて5シーターや6シーターへの延伸も可能。張り地は風合いも美しい本革で、ブラックやウォルナットなどのカラーが選べる。

画像: COURTESY OF FRITZ HANSEN

COURTESY OF FRITZ HANSEN

フリッツ・ハンセン 東京
TEL. 03-3400-3107
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村野藤吾の「TMD-MIYAKO SO1」

画像: 「TMD-MIYAKO SO1」<W127×D72.5×H65cm>¥519,900〜/イデー COURTESY OF IDÉE

「TMD-MIYAKO SO1」<W127×D72.5×H65cm>¥519,900〜/イデー

COURTESY OF IDÉE

 世界平和記念聖堂、旧千代田生命本社ビル(現目黒区役所)などディテールにもこだわり抜いた、美しい昭和の名建築を手がけた建築家、村野藤吾。こちらのソファ「TMD-MIYAKO SO1」は、アームや背の複雑で繊細なカーブ、脚先の形状など、細部のこだわりが光る、村野のクラフトマンシップにあふれた名作。
 1960年に内装デザインを手がけた都ホテル(現・ウェステイン都ホテル京都)のためにデザインされたもので、幅127cmのコンパクトなサイズと、置く場所を選ばないタイムレスなデザインが魅力。張り地は多彩なカラーが揃うファブリックまたはレザーからセレクトできる。バリエーションは、2シーターとランジチェアタイプの2種。

画像: COURTESY OF IDÉE

COURTESY OF IDÉE

IDÉE(イデー)
公式サイトはこち

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