著名人が自慢の「コレクション」を公開する本連載。第2回は、写真家でアクティヴィストでもあったデイヴィッド・ヴォイナロヴィッチの意外な一面を伝えるハロウィーン用グッズ

BY JOHN WOGAN, ILLUSTRATIONS BY AURORE DE LA MORINERIE, TRANSLATED BY MIHO NAGANO

画像: ニューヨーク州グレンコーブのファンワールドで購入した猿のお面

ニューヨーク州グレンコーブのファンワールドで購入した猿のお面

 1970年代の初頭、10代で路上生活をしていたアーティストのデイヴィッド・ヴォイナロヴィッチは、当時場末だったタイムズ・スクエア周辺で、麻薬中毒者や売人、客引きたちに交じって売春をして生き延びていた。ニューヨークの街で直面した子ども時代の壮絶な現実は、のちの彼の創作に重要な意味をもつようになる。白黒写真、フィルム映像、絵画などを通して、彼は市民社会が何重にもかぶっている仮面をはぎ取り、現代文化のもつ残虐性を赤裸々に暴いてみせた。たとえば、レーガン大統領時代の政治や宗教の欺瞞(ぎまん)、同性愛者たちが直面した社会的疎外など。

 彼の個人的な遺品の多くは、ニューヨーク大学のフェールズ図書館の特別コレクションに作品とともに所蔵されているが、1992年の彼の死後に整理されたハロウィーン用グッズのコレクションを見ると、彼にもユーモアあふれる一面があったことがわかる。「彼のコレクションには400以上の所蔵品があります」と、フェールズ図書館のディレクター、マーヴィン・J・テイラーは語る。「彼は生涯に何度も引っ越しをしたのに、すべてをきちんと保管していました」。ヴォイナロヴィッチの回顧展はホイットニー美術館で7月13日から開催される。

画像: 悪魔のマスク。「コレクションに所蔵されている多くのオブジェが、デイヴィッドが作品を作るうえでのインスピレーションになった」とテイラーは語る

悪魔のマスク。「コレクションに所蔵されている多くのオブジェが、デイヴィッドが作品を作るうえでのインスピレーションになった」とテイラーは語る

画像: 狼男のマスク。「彼はメキシコの"死者の日"の祭りに非常に興味があり、マスクが大好きだった」と語るのは、2012年に発売された伝記『Fire in the Belly: The Life and Times of David Wojnarowicz』の著者、シンシア・カーだ

狼男のマスク。「彼はメキシコの"死者の日"の祭りに非常に興味があり、マスクが大好きだった」と語るのは、2012年に発売された伝記『Fire in the Belly: The Life and Times of David Wojnarowicz』の著者、シンシア・カーだ

画像: 吸血鬼のマスク。これもニューヨーク州グレンコーブのファンワールドで購入。カーによれば、「デイヴィッドは神話的なものについて、何が神話的で、なぜそれが神話的なのかを考えるのが大好きだったと思う

吸血鬼のマスク。これもニューヨーク州グレンコーブのファンワールドで購入。カーによれば、「デイヴィッドは神話的なものについて、何が神話的で、なぜそれが神話的なのかを考えるのが大好きだったと思う

画像: 軍隊用のヘルメットをかぶった骸骨のアクションフィギュア。1984年頃の香港製

軍隊用のヘルメットをかぶった骸骨のアクションフィギュア。1984年頃の香港製

画像: プラスチックの鼻

プラスチックの鼻

画像: 目玉がぶらさがっている眼鏡

目玉がぶらさがっている眼鏡

画像: 赤い傷がステッチされている、ゴム製のフランケンシュタインの手袋。「デイヴィッドは長年、怪奇なものへの興味をもち続けていた」とテイラーは語る

赤い傷がステッチされている、ゴム製のフランケンシュタインの手袋。「デイヴィッドは長年、怪奇なものへの興味をもち続けていた」とテイラーは語る

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