パフォーマンス・アートを美術界の主流に押し出した立役者。その偉業を振り返る回顧展をミネアポリスで開催中

BY MERRELL HAMBLETON, TRANSLATED BY G. KAZUO PEÑA(RENDEZVOUS)

画像: 1975年、『TV Rerun』を披露するカニンガムとダンサーたち GETTY IMAGES

1975年、『TV Rerun』を披露するカニンガムとダンサーたち
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 マース・カニンガムが、ウォーカー・アート・センターで舞踏劇『Antic Meet』を披露するためにジョン・ケージとロバート・ラウシェンバーグ、ダンサー数人とともにミネソタ州ミネアポリスに到着したのは1963年のことだった。フォルクスワーゲンのマイクロバスの屋根には、ラウシェンバーグ による舞台セットが積まれていた。

今年2月、そのウォーカー・アート・センターで、シカゴ現代美術館と連携した大がかりな回顧展『Merce Cunningham: Common Time』が始まった(7月まで開催)。振付の先駆者カニンガムは、ジャスパー・ジョーンズやブルース・ナウマンら芸術家とのコラボレーションで知られるが、その活動によって舞踊を有名美術館という舞台に押し出すことに成功した。今や多くの著名な美術館が、こうしたパフォーマンスのためだけに黒を基調とした舞台空間や弾力のある特殊な床を備えた新しいスペースを設けるようになった。回顧展の共同キュレーターのひとり、フィリップ・バイザーは言う。「一回限りのはかない舞台芸術は、美術史からほとんど弾き出されてきました。それらが語り継がれることが、いま重要なのです」。この回顧展では、舞台装置や衣装に加えて、ラショーン・ミッチェルやサイラス・ライナー――かつて彼らはダンサーとしてマース・カニンガム・ダンス・カンパニーで出会った――マリア・ハサビ、ベス・ギルらコンテンポラリーな振付師による新たなパフォーマンスも注目の的だ。

うれしいことに、こうしたカニンガム復権の流れは4月には東海岸にも拡大する。フランスのアンジェ国立現代舞踊センターは、NYのジョイス・シアターでカニンガム作品だけによる長いプログラムを予定。パリ・オペラ座バレエ団は、マルセル・デュシャンへのオマージュ作品である代表作『Walkaround Time』を披露する予定だ。

 

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