BY MASANOBU MATSUMOTO
今春、約半世紀ぶりに大阪・万博記念公園にある太陽の塔の内部が一般公開された。改めて塔の存在が注目される一方で、疑問を抱いた人も多いはずだ。“太郎 は何を想いながら、こんな奇妙な塔を創ったのか?”
映画『太陽の塔』は、その謎の解明に挑んだドキュ メンタリーだ。ただし、1970年の万博当時を回顧し、太郎の活動や芸術観を再検証しただけには終わらない。 本作の骨子はアーティスト集団Chim↑Pomやコピー ライターの糸井重里、思想家の中沢新一など、太郎に 影響を受けた29人へのインタビュー。第一線を走る表現者や識者たちの声を通じて、太郎が太陽の塔に託し たメッセージを“現代に関わること”として再提示す る。権力構造や原発の問題にも触れる。今の世の中をどう見るか、どう生きるか。社会に対する岡本太郎の鋭いまなざしが、本作の中で蘇る。
『太陽の塔』
9月29日(土)より渋谷・シネクイント、新宿シネマカリテほか全国順次公開
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