ドラマ、映画、K-POP、ミュージカルなど、ますます盛り上がる韓流エンタメ。日本における韓流ブームの立役者で韓流エンタメのスペシャリストである田代親世さんが、さまざまな角度からその魅力をご紹介!第3回目は、妄想がぐんぐん膨らむ⁉ 一般人とスターの恋を描いたドラマをピックアップ。

TEXT BY CHIKAYO TASHIRO

女性を尊ぶスター俳優の告白にシビれる!
『その恋、断固お断りします』

 メロ職人、キス名人と呼ばれながら、実はひどい女性不信に陥っているトップスターと、悪い男を見たら懲らしめてやる!が信条の女性弁護士が恋に落ちていくラブコメディーです。

画像: トップスター役のユ・テオ Netflixシリーズ「その恋、断固お断りします」独占配信中

トップスター役のユ・テオ Netflixシリーズ「その恋、断固お断りします」独占配信中

 芸能界を題材にしたものでは、スターは傲慢なオレ様という描き方になりがちですが、この作品では、ユ・テオ演じるトップスターがすごくまっとうな人で、仕事に対して誠実じゃない女優をビシッと叱ったり、人として好感が持てます。ヒロインも、アクション全般に長けている強い女性で、弁護士でありながらスターのアクション指導をしたり、彼の出る映画のスタントマンとしても関わりながら距離を縮めていくという過程が新鮮でした。そんな風に、男女ともにありがちなキャラ設定じゃないのが気持ち良いです。

 このドラマはそんな男女のアラフォーロマンスがとっても面白いんです。最初はお互いに気に食わなくて、相手を恋に落として翻弄してやる~とそれぞれが思っているうちに、本気でときめいちゃって、酸いも甘いもかみ分けた年齢ながら、あなたたち初恋ですか?っていうくらいに可愛く意識し合ってしまうのです。

画像: ヒロインの弁護士役のキム・オクビン(左)とユ・テオ(右) Netflixシリーズ「その恋、断固お断りします」独占配信中

ヒロインの弁護士役のキム・オクビン(左)とユ・テオ(右) Netflixシリーズ「その恋、断固お断りします」独占配信中

 一方で、セリフの節々に男尊女卑を皮肉るセリフが出てきて、全体に女性への既成概念を壊したい、一言申したいメッセージが込められているのも気骨を感じます。なので、愛の告白も単に「愛してます」にとどまらず、男性にヒロインをリスペクトさせています。「尊敬してます、彼女からたくさん学んでます」「僕が出会った中で一番かっこいい女性です」とスターが公の席で告白するんですよ。これは女性の自己概念をあげてくれる、なんてステキな尊い告白なのかしらと思いました。ユ・テオ、キム・ジフンといったアラフォー男子の魅力が再発見できるドラマでもあります。

 全部で10話と韓国ドラマにしては短めなので、変な拗らせキャラやドロドロ誘発キャラが出てこなかったのも、ほっこりみられる良きところです。

■Netflixシリーズ「その恋、断固お断りします」独占配信中

不愛想な弁護士と愛らしい女優の化学反応
『真心が届く ~僕とスターのオフィス・ラブ⁉~』

 かつては一世を風靡した女優なのに、スキャンダルに巻き込まれて今や忘れられた存在。久々のドラマ出演の条件が、役作りのため3か月法律事務所で働くことだったので、気難しい堅物弁護士の秘書になるところから展開していく物語です。『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』ファンの間では、悲恋に終わったカップルがこんなにラブリーな形で再共演してくれて嬉しい!と思われているドラマです。

画像: 弁護士役のイ・ドンウク © STUDIO DRAGON CORPORATION

弁護士役のイ・ドンウク © STUDIO DRAGON CORPORATION

 これ面白かったのが、女優と弁護士というお仕事が無理なく合体されていたところです。彼女のドラマ出演はまだ極秘事項なので、周りには内緒で働くという、いわば偽装就職ですが、ヒロインは若くしてスターになっているので、ちょっと浮世離れしているんですね。なので、堅物弁護士としては、なんだこいつは!と最初はあきれていたのですが、でも彼女は知らなかっただけで、教われば一生懸命に学んで頑張っていくんですよ。その姿がとっても微笑ましいんです。セリフ覚えがいいという自分の特技を生かしたり、スキャンダルというつらい目にあった彼女だからこそ被害者に寄り添える共感力だったりを駆使しながら、しっかりと弁護士の仕事を手伝って事件を解決していくことで、認められ、愛が生まれていきます。

画像: スター女優役のユ・インナ © STUDIO DRAGON CORPORATION

スター女優役のユ・インナ © STUDIO DRAGON CORPORATION

 不愛想な弁護士とピンクの空気が取り巻いているような愛らしい女優の組み合わせは、2人の化学反応が働いてなんとも可愛らしい。イ・ドンウクの仏頂面がどんどんほころんでいくのをめでる楽しさがあり、恋に不慣れな二人なので、なんかちょっと少しずつズレてる感じがまた笑えます。微笑ましく、キュンとしながら見られるドラマです。

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田舎の娘に心のバリアがなくなって…
『トップスター・ユベク』

 生意気で感じが悪く、問題行動の数々でドラマを降板したトップスターのユベク。事務所の代表から、少し休養しろという口実でマネージャーの故郷である離れ小島に送られてしまいます。その島で、ユベクは祖母と二人暮らしの島の娘オ・ガンスンの家に世話になるのですが、強気の裏でいろいろと傷ついてきたユベクは、最初はバカにしていたガンスンのことをどんどん好きになってしまうという物語です。

画像: トップスター、ユベク役のキム・ジソク(右)と、ガンスン役のチョン・ソミン(左) © CJ ENM Corporation, all rights reserved

トップスター、ユベク役のキム・ジソク(右)と、ガンスン役のチョン・ソミン(左) © CJ ENM Corporation, all rights reserved

 いわば、バリバリの都会のトップスターとどっぷり田舎の娘という真逆の男女が繰り広げるラブコメディー。何せ、テレビもネット環境もなく、携帯も使えないから誰もトップスターのことを知らなくて最初はスターも調子が狂います。でもだからこそ武装解除できて、心のバリアがはがれていくんです。島のみんなからは、名前じゃなくて「トップスターさん」と呼ばれてしまったり、「うぬぼれ病」でもあるトップスターが田舎暮らしを強いられるギャップに笑えます。

画像: © CJ ENM Corporation, all rights reserved

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 見どころは、トップスター、ユベクを演じたキム・ジソクです!彼は『椿の花咲く頃』や『ロマンスが必要2』など、それまで二番手男子の印象が強かったのですが、このドラマでは、キム・ジソクってかっこいいデキル男なのね~と再認識します。不遜なジソク、色っぽいジソク、カリスマジソク、傷ついたジソク、コミカルジソク、どや顔ジソクといろ~んなジソクが楽しめて、見ていくうちにキム・ジソクのことがどんどん愛おしく大好きになってしまうこと請け合いです。笑ったりしんみりしたりしながらもなんかホッとさせてくれる愛すべきドラマです。

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田代親世 韓流ナビゲーター 
韓流解説、韓流イベント司会の第一人者。公式サイト「田代親世の韓国エンタメナビゲート」やYoutube「ちかちゃんねる☆韓流本舗」「韓ドラ・マスター親世と尚子の感想語り」などで韓流情報を発信しているほか、会員制のコミュニティ【韓流ライフナビ】を主宰。ツアーやイベントを企画・開催している。


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