BY REIKO KUBO
今年のアカデミー賞授賞式で「まず"女性"と"語る"って言葉がこんなにくっついた題名の映画に怒り出さないでいてくれたアカデミー賞に感謝します!」と、パンチの利いたスピーチが印象的だったサラ・ポーリー。彼女が脚色賞を受賞したのは、監督も兼ねた『ウーマン・トーキング 私たちの選択』。自給自足のキリスト教一派のコミュニティで、女たちの体に異変が起きる。それまで「悪魔の仕業」や「妄想」と言われてきたこの異変は、実は村の男たちの仕業だった。
男たちが街へと出かけている二日間、女たちは納屋に集結。破門のリスクや「許し」の実践を説く者、男たちとの闘いを主張する者、村を捨てる覚悟をする者と考えは異なる。それでも自分たちの未来を懸け、他人の声を聴き、懸命に話し合い、決断する。#MeToo運動が波及する中、続々と登場した女性映画の真打ちは、女性問題だけにとどまらず、戦争がやまない今の世界に必要なものを、見る者の心に訴える。
『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
●6月2 日よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほかで公開
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