T MagazineのNYチームが、アンダーカバーのファッション撮影のために来日。その撮影秘話と、デザイナー高橋 盾の仕事風景

BY ISABEL WILKINSON, PHOTOGRAPHS BY GABY WOOD, TRANSLATED BY AKANE MOCHIZUKI(RENDEZVOUS)

アンダーカバーの舞台裏

画像1: アンダーカバーのスタジオで
高橋 盾の内なる世界をのぞく

Tシャツに施すシルクスクリーンプリントをテストする高橋。書かれているメッセージは『The Janus(ザ・ヤヌス)』(ローマ神話に登場する、2つの顔をもつ神)。Tシャツを手に取り、生地を引っ張ってもプリントが裂けないかをチェックしたところ、プリントは裂けてしまった。プリント部分を手で触りながら確認すると、色が均一でなく、場所によっては少しかすれている。とうてい高橋が納得できる状態ではない。写真の高橋の背後にあるのは、マーカス・アッケーソンの巨大な絵。その前には、高橋が作った奇妙なキュクロプスの人形が立っている。これは複数ある人形の中でも大きいもので、ヴィンテージのテディベアで小さいスツールを覆って作られた。電気をつけると、自転車のライトでできた目が光るしくみになっている。

画像2: アンダーカバーのスタジオで
高橋 盾の内なる世界をのぞく

顔にマスク、腕にピンクッションをつけ、首から巻尺をぶらさげたパタンナーが手に抱えているのは、これから高橋がチェックするフードだ。このフードは、黒のフリースでできたスウェットシャツにつけるためのもの。高橋は、デザインチームが見守るなか、スウェットシャツにつけるジッパーをいくつか試しているところだ。

画像3: アンダーカバーのスタジオで
高橋 盾の内なる世界をのぞく

アンダーカバーの地下室は、以前、ライブハウスとしても使われていた。ここでパティ・スミスが親しい人間だけを集めてプレイしたこともある。現在、パタンナーの作業場になっているその部屋の片隅では、若手のスタッフがマネキンを使ってモスリン生地にピンを打ち、そのかたわらには裸のマネキンが立っている。

画像4: アンダーカバーのスタジオで
高橋 盾の内なる世界をのぞく

部屋の中央に置かれているのは、アンダーカバーの2017年秋冬ウィメンズコレクションで発表した衣装。ピンク色のシルクを使い、袖部分を波打つように仕上げた服を、熟練のパタンナーが丁寧に調整している。

画像5: アンダーカバーのスタジオで
高橋 盾の内なる世界をのぞく

東京目黒区にある加茂克也の仕事場のガラスの扉には、白い大文字で小さく『KAMO HEAD』と書かれている。これには理由がある。ファッション業界では、加茂は“ヘッド”にまつわる表現で天才として知られているからだ。単なるヘア&メイクではなく、苔で作った王冠や、顔から生えた羽、暗闇で光るマスク、工業用絨毯でできたヘルメット、いばらで造形された角といったものも彼の作品だ。加茂は、1996年から高橋と仕事をしてきた。渡辺淳弥やカール・ラガーフェルドらともコラボレートしてきたが、彼が最も風変わりな作品を作るのが、アンダーカバーだ。エネルギッシュで気どりのない加茂は、いろんな箱を取り出し、作品に使う素材を私たちに見せてくれた。その中には骨が抜き取られた赤いオウムのはく製もあった。

 

This article is a sponsored article by
''.