BY SAYAKO SAKAMOTO
時代や洋の東西を問わず、ダイヤモンドは人々の心を惹きつけてやまない。その普遍的な魅力は、希少性のみならず、目にした者を虜にしてしまう神秘的で圧倒的な美しさにある。世界各国、ダイヤモンドにまつわる逸話はいくつもあるが、いまから約1年半前、ボツワナのカロウェ鉱山で発掘されたひとつの原石をめぐって、またひとつ新たな物語がはじまった。
ダイヤモンド原石は、天文学的な自然条件の一致のもと、何千万年もの長い時間をかけて生まれてくる希少な存在だ。1年前にカロウェ鉱山で発見されたそれは、“342カラット”もの大きさがあった。見た者を釘付けにするその奇跡的な原石との運命の糸は、ハイジュエラーとして名高いメゾン「ショパール」へとつながっていた。
発掘の連絡を受けたショパールの共同社長兼アーティスティック・ディレクター、キャロライン・ショイフレは、ダイヤモンド原石と初めて対面した瞬間のことをこう語る。「自分が今、信じられないほど希少な石を目の前にしている、ということにすぐ気がつきました。この石には、驚くほどの美と透明さがありました」。数多くの宝石を目にしてきた審美眼の持ち主ですら、その圧倒的な存在感に驚嘆したのだ。
ダイヤモンドのクラリティは色と透明度で評価されるが、この原石は、342カラットという大きさにも関わらず、カラー等級「D」、クラリティ「F(フローレス)」と、すべてにおいて最高値を認定された。キャロラインは、これを「クイーン・オブ・カラハリ」と名付けた。まさに“女王”の名にふさわしい類まれなるダイヤモンドの原石に導かれるかのように、その価値に見合った姿形を授ける使命を感じたと彼女は言う。「この極めて稀な大なモンドの原石を前にした瞬間、私たちにはさまざまな可能性がありました。私はできるかぎり異なる技術を使って、ダイヤモンドのあらゆるカットを表現したいと考えました」
「クイーン・オブ・カラハリ」は、キャロラインの指揮のもと、ショパールの伝統技術を結集し、「ガーデン・オブ・カラハリ」として姿を変えていった。アトリエが誇る高度な技術は、蝋型彫刻職人、鋳造工、宝石職人、細工職人、磨き職人など、30以上もの専門を持つ職人たちの連携により支えられ、地金の細工から石の加工に至るまでのあらゆる工程が丁寧な手仕事でつながっていく。こうして、「ガーデン・オブ・カラハリ」のコレクションは、1年以上の歳月を費やして完成した。
ハイジュエリーへと昇華したコレクションは、ネックレス、イヤリング、リング(2種)、シークレットウォッチとブレスレットの6点。なかでも特長的なのは、ペンダントヘッドやイヤリングのメインストーンとしてアタッチメントできる3つのピースだ。見た目の美しさだけでなく、着用する時のシチュエーションに配慮した多様性のあるデザインは、身につける人を唯一無二な存在に引き立てる。
ひとつのダイヤモンド原石へ惜しみなく注ぎ込まれたキャロラン・ショイフレの情熱と、メゾン ショパールの優れた技術。唯一無二のダイヤモンドは、こうしていまだかつてない美しいハイジュエリーへとその姿を変えた。
ショパール ジャパン プレス
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