BY ASATO SAKAMOTO
カルティエが表参道に期間限定のコンビニ「カルチエ」をオープンさせた。1970年代、たった1本の釘に着想を得て「ジュスト アン クル」というジュエリーを作り出したように、日本人の私たちにとって身近なコンビニを、カルティエらしいアプローチで昇華させようとする試みだ。
まず、1F部分にはフードや日常品が並ぶ。赤坂の有名店「TAKAZAWA」からは、北海道産の男爵イモにさまざまな食材を乗せてオーブンで焼き上げる新感覚コロッケなど、全3種が登場。ゴ・エ・ミヨ (美食ガイド)で「期待の若手シェフ賞」を受賞した新進気鋭のシェフ田村浩二氏は、100%自然素材で作られたエナジーバーを考案した。
また、次世代レストランとして注目を集める目黒の「kabi」と赤坂の「sanmi」は、このコンビニのためにユニークなスタイルのカップラーメンを開発。中には“特別予約チケット”が入っており、購入者は店の予約権利を獲得できるという、人気店ならではの斬新なアイデアだ。そのほか、紅茶ブランド「BETJEMAN&BARTON」が初めて作る瓶詰めの紅茶や、通常は完全予約制でホールでしか販売されていなかった「été」のマンゴータルトがシリアルナンバー付きで1ピースずつ販売されるなど、ここ「カルチエ」でしか手に入らないアイテムが目白押しだ。
コンビニのイートイン・エリアを思わせる2Fでは、「ジュスト アン クル」を実際に手に取り試すことができる。1970年代の陽気で自由なニューヨークの空気感を写し取り生み出された「ジュスト アン クル」は、その遊び心のあるデザインが今なお支持され、カルティエの歴史を語るうえで外すことのできないアイコンのひとつになっている。今年9月に発表された新作はシェイプがスリムに進化し、モダンな印象はそのままに軽やかさが加わった。
そして、コンビニには欠かせない雑誌もまた、この「カルチエ」のためだけに制作された。スペシャルマガジン「when the ordinary becomes precious」には、モデルの秋元梢やUTAによるファッションストーリー、写真家 奥山由之が表現する「ジュスト アン クル」の世界、彫刻家の名和晃平とアーティスト清川あさみの対談などが掲載され、それぞれの表現の場において自由であり続けたいと願うクリエイターたちの姿や言葉で、ページが展開していく。
「カルチエ」全体を通して貫かれるテーマもまた、“when the ordinary becomes precious”。日常に溢れかえる小さなピースは、アイデアや捉え方次第で特別なものになり得るということ。わずか10日間だけ出現するこのコンビニは東京の日常に、私たちの生活に、どんなプレシャスな瞬間をもたらしてくれるのか。ユニークで特別な空間をぜひ堪能したい。
カルティエ 期間限定プレシャスコンビニ「カルチエ」
期間:2018年9月21日(金)〜30日(日)
住所:東京都渋谷区神宮前5-16-13
営業時間:12:00〜20:00
※営業時間は変動する場合があります。詳細はスペシャルサイトにて随時更新
定休日:無休
スペシャルサイト
問い合わせ先
カルティエ カスタマー サービスセンター
フリーダイヤル: 0120-301-757