BY TAKAHIRO KATO
1925年、アデーレ・フェンディとエドアルド・フェンディ夫妻がローマで創業したフェンディ。創業当時から、革製品を取り扱うだけでなく毛皮工房も設けたフェンディは、ハリウッドで流行していた毛皮の襟巻きに着目し、毛皮のコートを発売したことで成功する。65年には、当時まだ新鋭デザイナーだった27歳のカール・ラガーフェルドを主任デザイナーに任命。カールはメゾンが持っていた“サヴォアフェール(伝統的な技術)”を大切にしながら、毛皮の再解釈だけではなく、エナメル加工などのさまざまな技法をその製品に取り入れた。そして2016年、フェンディは本店である「パラッツォフェンディ」を全面リニューアルし、アイデンティティとも言えるファーの工房を、ラグジュアリーブランドとして世界で初めて併設した。
創業当時からクラフツマンシップ(職人の技術力)を大切にする彼らがブランドが誇るクラフツマンシップの重要性とサヴォアフェールの真価、ハンドメイドの力を次世代に伝えるエキシビション「フェンディ クラフ(FENDI CraFF)」を4月4日より東京・表参道のBA-TSU ART GALLERYで開催。同展は、2018年10月にローマのフェンディ本社「イタリア文明宮」で行われ、今回がイタリア国外では初開催となる。
会場は壁一面がグラフィティアートで飾られ、ブランドの歴史を語る上で欠かすことのできないファーを用いた作品づくりを間近で見ることができる。イタリアから来日した職人たちが、廃棄された材料を利用してファーの加工技術を実際に披露するほか、ニューヨークを拠点に活動する日本人アーティスト、AIKOが来場。彼女が手掛けたグラフィティアート作品をフェンディの職人がファーで表現したファー タブレットや、“ローマの恋人たちとストリートのエネルギー”をテーマにした4mにも及ぶ作品などを展示する。
また会場には、自身のポートレートが“ファータッチ”のグラフィティで表現される体験型のデジタルコンテンツ「FURRY ME」も登場。見るだけでは終わらない、実際に楽しめる仕掛けも用意する。
創業当時から受け継がれるフェンディのクラフツマンシップを感じることのできるエキシビション。ラグジュアリーブランドでは唯一自社にファー工房を持つ、フェンディの職人技を体験したい。
『FENDI CraFF(フェンディ クラフ)』
会期:2019年4月4日(木)〜4月17日(水)
会場:BA-TSU ART GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-5
時間:11:00〜20:00
入場料:無料
電話:03(6427)5834
問い合わせ先
フェンディ ジャパン
TEL. 03(3514)6187
公式サイト