BY LINDSAY TALBOT, PHOTOGRAPH BY MARI MAEDA-OBOSHI AND YUJI OBOSHI, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

最新モデルの「アマソナ180 スモール」(デイジーイエロー)¥639,100/ロエベ
モノクロ写真はロエベのバッグ「アマソナ」のオリジナルモデル。1982年の広告より
ロエベ ジャパンクライアントサービス
TEL.03-6215-6116
1846年、のちにスペイン・マドリードの商業地区の中心地となる場所に、革職人らが小さな受注生産のアトリエを開いた。そこで作られたシガレットケースやジュエリーケース、財布や額縁などがドイツの皮革専門家エンリケ・ロエベ・ロスバーグの目に留まり、1872年に彼はアトリエと提携を結んだ。その20年後、地下に工房を備えた店舗が「E.ロエベ」の名でマドリードのプリンシペ通りにオープン。ロスバーグと息子のエンリケ・ロエベ・ヒントンは、女性用ハンドバッグの制作を始める。1905年にはスペイン王室御用達として認定。1939年に開いた旗艦店であるグランヴィア店には、マレーネ・ディートリッヒ、アーネスト・ヘミングウェイ、エヴァ・ガードナーらが足繁く通った。ロンドンとモロッコ・タンジールに店を構え、洋服のコレクションをお披露目したのち、1975年には今もアイコンであるハンドバッグ「アマソナ」を発表。ロエベの代名詞であるゴールドカラーのスエード製で、曲線を描くトップハンドルのトートバッグはまさに機能性を形にしたものだった。茶色い革のコーナーパッチがしっかりした作りの底面の縫い目を補強し、飾りは南京錠のみ。ギリシャ神話の女性戦士にちなんで名付けられたバッグは、70年代当時のフェミニズムによる自由な空気を捉え、女性には日中用、夜用、週末用と多くのハンドバッグが必要だという考えに異を唱えるものだった。
昨夏にNYからパリに移住したロエベの新クリエイティブ ディレクター、ジャック・マッコローとラザロ・ヘルナンデスは、デビューコレクションで伝統のアーカイブを再解釈し、「アマソナ180」を発表。このスラウチーなバッグはファスナーを開けたままでの使用を想定し、片側にだけ持ち手がある。カーフスキン、スエード、クロコダイルでの展開で、四隅が丸くなったオリジナルを意識しており、アメリカ風の佇まいと1世紀以上も続くスペインの緻密な職人技が完璧に調和している。
PHOTO ASSISTANT: CALEB HENDERSON. ARCHIVAL IMAGE: COURTESY OF LOEWE. POSTPRODUCTION: JUSTIN COHEN
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