BY KIMIKO ANZAI
“ミステリーの女王”として、今も絶大な人気を誇るアガサ・クリスティー。様々な階級が入り混じる英国社会を舞台に描かれる事件や人間模様はもちろんながら、作品に描かれるお茶のシーンに魅了された読者は多いのではないだろうか。『バートラム・ホテルにて』では「キャラウェイシードケーキ」が、『ヒッコリー・ロードの殺人』では「クランペットとサーモンムース」など、英国の伝統的なお菓子や料理が登場し、架空の午後のティータイムへと誘われる。
そんな魅惑的なティータイムが楽しめるのが、開業130周年を迎えた、帝国ホテル 東京「インペリアルラウンジ アクア」の「アガサ・クリスティーの世界を味わう 英国アフタヌーンティー」だ。作品に登場するお菓子や食材が帝国ホテル流にアレンジされ、アガサ・クリスティーが愛した紅茶・ラプサン・スーチョンとともに供される。これは松の薫香が特徴的なフレーバーティーで、エリザベス女王のお気に入りの紅茶でもある。ちなみに、英国ではキュウリのサンドイッチと合わせるのが最もポッシュなスタイルだという。
「英国アフタヌーンティー」には、前述の「キャラウェイシードケーキ」と「クランペットとサーモンムース」も登場する。ほかにも『火曜クラブ』でミス・マープルが迷宮入りの事件を解く鍵となるお菓子「トライフル」、『動く指』に登場する「ブレッドプディング」など、クリスティー・ファンにとっては数々の名作を反芻しつつ、描かれていた“あの味”を堪能するという、夢のような時間が楽しめるのだ。
実は、この“魅惑的な英国アフタヌーンティー”は、アガサ・クリスティーの誕生年と帝国ホテルの開業年が同じ1890年だったことから実現したもの。今年は小説家デビューから100周年にもあたるが、彼女の作品は現代においても映画化され続けるなど、その人気は尽きることがない。イギリスのインテリア・デザイナー、ジュリアン・リード氏が設計した「インペリアルラウンジ アクア」でアフタヌーンティーを楽しめば、アガサ・クリスティーの世界に心ゆくまで浸れるに違いない。
『バートラム・ホテルにて』(早川書房)にはこんな一節がある。主人公ミス・マープルの友人であるヘイジー夫人がラウンジの給仕に問いかける。「シード・ケーキね? もう何年もシード・ケーキなんて食べたことないけど。ほんもののシード・ケーキでしょうね?」。バートラム・ホテルで出されるお菓子や料理はすべて“ほんもの”なのだ。違っていたのは、小説の中のバートラム・ホテルは数年来、犯罪組織の本部になっていたこと。だが、ご安心あれ。帝国ホテル 東京で楽しめるアフタヌーンティーは、すべて“ほんもの”。もちろん、給仕係も。その“証拠“は、あなたに見つけてほしい。
AGATHACHRISTIE is a registered trademark of Agatha Christie Limited in the UK andelsewhere. All rights reserved.
「アガサ・クリスティーの世界を味わう 英国アフタヌーンティー」
協力:Agatha Christie Limited
期間:~2020年10月31日(土)まで
定休日:毎週火曜日・水曜日
場所:東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテル 東京 本館17階「インペリアルラウンジ アクア」
電話:03(3539)8186<予約・直通>
アフタヌーンティー提供時間:12:00~18:00(L.O)
料金:¥5,100(消費税込・サービス料別)
公式サイト