数あるシャンパーニュの中でも類まれなる美しさをもつ「レア」。ジュエリーをまとって誕生したという逸話と最新ヴィンテージの秘密を最高醸造責任者が教えてくれた

BY KIMIKO ANZAI

“王妃マリー・アントワネットへのオマージュ”として誕生したシャンパーニュ「レア」から、この10月に「レア ロゼ 2008」が登場、早くもハイ・コンシャスなシャンパーニュ愛好家の注目を集めている。バラとライチの華やかな香り、エレガントな果実味とピュアな酸味が魅惑的。淡いローズ色のシルクのドレスを思わせる色合いも美しい。

 「レア」の誕生は1976年。カンヌ国際映画祭の公式シャンパーニュとして知られる「パイパー・エドシック」の最高級ラインとして、1985年に「レア 1976」が、9年の熟成を経てリリースされた。かつて、同社のシャンパーニュがマリー・アントワネットに献上された年から200周年を記念してのことだった。その後、2008年に単一ブランドとして独立、メゾンは「レア」こそが“王妃のシャンパーニュ”であることを国内外にアナウンスした。そこには、こんな史実がある。

 パイパー・エドシック社の歴史は1785年に始まる。創設者のフローレンス=ルイ・エドシックは1785年5月6日に王妃マリー・アントワネットに謁見する機会を得た。彼は自社のシャンパーニュを献上し、それは、たちまち王妃の気に入るところとなった。この時の様子を伝える絵画が、今もメゾンに残っている。

画像: マリー・アントワネットにシャンパーニュを献上しているのが創設者のフローレンス=ルイ・エドシック。当時は新進気鋭の小さな造り手だった。マリー・アントワネットの自由なセレクト・センスに驚かされる

マリー・アントワネットにシャンパーニュを献上しているのが創設者のフローレンス=ルイ・エドシック。当時は新進気鋭の小さな造り手だった。マリー・アントワネットの自由なセレクト・センスに驚かされる

 最高醸造責任者レジス・カミュ氏は、マリー・アントワネットについてこう語る。
「フランスで王妃に対する評価が変わってきたのは1950年代頃からでしょうか。彼女のファッション、美食などが様々な角度から語られるようになりました。代表的なのがソフィア・コッポラの映画『マリー・アントワネット』でしょう。王妃の人生を神話にまで昇華させていますね。今の時代でいえば、彼女はインフルエンサーのような存在だったと言えるでしょう。卓越したセンスの持ち主で、当時としては前衛的な存在でもありました。そして、彼女は、現代においても影響を与え続けている。私たちのシャンパーニュには“王妃に愛された”という歴史があります。その史実を大切にし、現代に蘇らせることは、メゾンの新たな伝説となるのではないかと考えたのです」

画像: 最高醸造責任者のレジス・カミュ氏は、“ワイン界の重鎮”。今回、T JAPANのために特別にメッセージを寄せてくれた。「フランス語の乾杯“サンテ”は健康を意味する言葉。この時代だからこそ健康を大切にし、“今”をともに生きていきましょう。皆様に“サンテ!”」 PHOTOGRAPHS:COURTESY OF RARE CHAMPAGNE

最高醸造責任者のレジス・カミュ氏は、“ワイン界の重鎮”。今回、T JAPANのために特別にメッセージを寄せてくれた。「フランス語の乾杯“サンテ”は健康を意味する言葉。この時代だからこそ健康を大切にし、“今”をともに生きていきましょう。皆様に“サンテ!”」
PHOTOGRAPHS:COURTESY OF RARE CHAMPAGNE

 その“伝説”のひとつが、ジュエラーとのコラボレーションだ。ファースト・ヴィンテージの「レア 1976」は「ヴァン クリーフ & アーぺル」の協力を得て、ダイヤモンドを施したボトルで発表された。2018年にはフランスの老舗ジュエラーで、王妃の御用達でもあったパリの「メレリオ」とともに、ダイヤモンドやゴールドで飾られた「レア ル・スクレ・エディション・ダイヤモンド」をリリース、フランスでも大きな話題となった。今年1月までパリのコンシェルジュリーで開催された「マリー・アントワネット展」では、フランス文化省の依頼を受けて、このボトルが展示されたほどだった。

画像: 「ヴァン クリーフ & アーペル」とのコラボレーションボトル。ダイヤモンドが施され、華やかながらもシックなデザイン PHOTOGRAPH BY GILBERT BENESTY

「ヴァン クリーフ & アーペル」とのコラボレーションボトル。ダイヤモンドが施され、華やかながらもシックなデザイン
PHOTOGRAPH BY GILBERT BENESTY

画像: 「レア ル・スクレ ダイヤモンド」(日本未発売)には、「メレリオ」ならではの高い金細工技術が生かされている。ミュズレ(金属製の栓抑え)も24金で制作。メレリオは、マリー・アントワネットなど歴代王妃に愛されたことから、今も“王妃のジュエラー”と呼ばれる PHOTOGRAPH BY GILBERT BENESTY

「レア ル・スクレ ダイヤモンド」(日本未発売)には、「メレリオ」ならではの高い金細工技術が生かされている。ミュズレ(金属製の栓抑え)も24金で制作。メレリオは、マリー・アントワネットなど歴代王妃に愛されたことから、今も“王妃のジュエラー”と呼ばれる
PHOTOGRAPH BY GILBERT BENESTY

 このボトルのインスピレーションを与えてくれたのが、マリー・アントワネットへの献上から100年を記念して1885年に造られた「ラ・キュヴェ・デュ・サントネール」だ。ゴールドやラピスラズリに飾られたゴージャスなボトルで、当時ロシア宮廷御用達の宝石商だったピエール=カール・ファベルジュによるもの。ジュエリーをまとって生まれた「レア」は、まさしく“王妃のシャンパーニュ”と言える。

 

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